拍手おまけ?/坂銀

「おーいー金時ぃー!」

「だーっ!何回言えば分かるんだボケェ!ぎ・ん・と・き・だッ!!」

このイラつくぽわーんとした声に更に追い討ちをかけるのは、名前の呼び間違い。

というか、憶え間違いというやつか?

このモジャ毛男、坂本辰馬は一応俺の……いや、言葉にすんのは止めとこう。なんか悔しいから。

「仕方ないのぅ…金時ぃ。おんし、せっかくわしが会いにきちゅうのに酷いぜよ。いきなり顔面パンチなんてのぅ」

「ったりめぇだろこのバカ本が。会うたび人の名前を必ず間違いやがって。わざとやってんのか?いやわざとやってんだろ?今さっき仕方ないのぅって聞こえたし」

「それは…その……あれじゃ、誰でも間違いはあr「間違うにも程があんだよテメーは!その容量少ない脳みそであってもなぁ、少しは学習しやがれ!!」

奴の発言の途中で俺は強力な跳び膝蹴りを喰らわしてやった。当然坂本は万事屋の玄関口の扉を通り抜け…―、2階からは何とか落ちずには済んだみてぇだな。

「いたたたた…、酷いぜよ、銀時」

「ったく……ようやっと直ったな。このモジャモジャ野郎が」

スタスタと奴に近づくと、呆れモヤモヤした心が一気にふぅっと溜め息として出てくる。

「……、銀時」

「なんだよ?」

「わしの事は?」

突然、さっきとは全く別人のような、真剣な眼差しで見つめてくる。俺は思わず呆気にとられた。

「は…?」

「じゃから、わしの名前。わしの名前は、バカ本でもなければモジャモジャ野郎でもないきに」

「うっわ。何コイツ、マジムカつくんですけど。人の名前間違う奴なんか名前で呼んであげないもんねー」

当然の事だろ、これ。屁理屈でもなんでもない。俺がの方が間違いなく正論。

…なのに、コイツときたら。

「―ぉわっ!?」

いきなり立ち上がったかと思うと、一気に俺を玄関口で押し倒す。

「な、てめぇ何しやがる辰馬!」

「…やっと言うたの」

「………ぁ」

とっさに奴の名を叫んでしまった。

頬が一気に赤くなったのが、自分でも分かる。

「全く…、おんしは素直じゃないきに」

坂本から、軽く触れるだけの口付け。

「へっ……、てめぇもじゃねぇかよバカ辰馬」

そうして俺からまた、甘い口付けを贈った。

END




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