拍手有難う御座います! これからも頑張ります(*´▽`*)以下、ささやかなお礼プチ小説です。良ければご覧下さい
(――あれ?)
すれ違った相手に、言い知れない何かを感じ取って、新一は反射的に振り返る。 目線の先には、自分と同じく男女の二人連れだ。 後姿に見覚えはないが、以前に出会った人物の誰かに似ている。 だが、あくまでも似ているように思うだけで、確証もなければその人物に見当がつかない。 「新一?」 「え?」 隣から怪訝そうな声が聞こえて、新一は我に返る。 心配そうな不思議そうな、そんな表情で蘭は新一の顔を覗き込んだ。 「どうしたの?振り返ったまま立ち止まっちゃって」 「あ、いや……」 新一は言葉を濁すと、迷いを振りほどくように首を小さく左右に振った。 その後で視線を前に戻して、再び歩き始める。 「今すれ違った奴に見覚えがあった気がしただけだよ」 「なんだ。知り合いだったら声かけたら良かったのに」 「いや……顔は見なかったから、知り合いかどうかは分かんねーんだよ。 ただ、何となく初対面じゃない気がしてな」 新一の言葉に、蘭も後ろを振り返る。 もう大分先を歩いているその人物は、蘭には見覚えが無い。 「またどうせ事件の被害者とか、容疑者の一人だった、とかじゃないの?」 皮肉交じりに笑って言う蘭に、新一は難しそうに首を傾げた。 「それはねーよ。事件の関係者なら、少なくとも顔見りゃ思い出すさ」 「じゃあ、やっぱり雰囲気が似てただけなんじゃない?」 「……雰囲気じゃねーな」 「なら何なのよ!」 苦笑いする蘭に、新一は考え込むように顎に手を当て眉を寄せた。 「強いて挙げるなら……オーラ?」 らしくない言葉を真剣に口にした新一に、蘭は不気味そうな様子で眉を寄せた。 「ねえ、新一。疲れてるなら、もう帰る?映画なら別に今日じゃなくっても良いよ?」 「――どういう意味だよ!?」 「――何よ、快斗。急ににやけちゃって」 「あ、にやけてる?」 「うん。すっごい気持ち悪い」 「うわっ!ひっでーの!」 満面の笑顔で言われた言葉に、快斗はわざとらしい口調でそう返す。 そんな快斗の様子には目もくれず、青子は後ろを振り返った。 「さっき人とすれ違ってからだよね?知り合いだったとか?」 「知り合いだったら声かけんだろ?」 「……あ、そっか」 不思議そうに訊ねる青子に、快斗は意外そうに返事をする。 返された言葉に妙に納得したように呟く青子を横目に見ながら、快斗は両手を頭の後ろで組んだ。 「まあ、強いて言えば、知り合いと言えば知り合いになるか。 でも向こうは初対面だ。少なくとも俺のことは知らねえからな。 こっちは知ってっけど、俺は知らねえ」 「……何よ、それ。全っ然分かんない!」 付け加えられた情報に、青子は不満そうに顔をしかめる。 そんな青子を快斗は面白そうに見ると、楽しそうに笑いだした。 「ま、当然だな。オメーの頭はまだお子ちゃまだから♪」 「あー!何よ!それー!」 「あれ?不満?」 「当たり前でしょ!?」 わざとらしく言う快斗に、青子は口元を膨らませる。 その反応を面白そうに見てから、快斗は青子の前へ歩み出るとニヤリと笑った。 「ああ、そうか。お子ちゃまなのは、頭だけじゃなかったな。 胸もだったっけ?いや、むしろ男だったっけ?」 「何ですって!?――あ!ちょっと!待ちなさいよ!快斗!」 青子が手を上げるが早いか、快斗は時折青子の方を振り返りながら走り出した。 それを慌てて追いかける青子だが、当然追いつけるはずもない。 必死で走ってくる青子を見ながら足を止めた快斗は、煽るかのように顔の前で両手を叩く。 「ほーれ!そんなちんたら走ってっと捕まえられねーぞ、中森警部の娘さん♪」 「快斗ォ!!」
【お題配布元:COUNT TEN. / コンビお題2(1.知らない同士)】
|
|