「カミ絵」現代パロ。

クロージュ = 夜野 黒(22歳)大手企業の新人。

ソルロンド = 青木 空(28歳)大手企業の若手社長。

【あらすじ】
新人の黒は入社早々ひょんな事から知り合ってしまった社長、空に気に入られる。
フレンドリーに構ってくる空に若干の鬱陶しさも感じつつ、
相手は社長なのでむげに扱うこともできない黒は何だかんだ彼のペースに乗せられてゆく…。
付き合ってないけど意識しちゃってる的な?感じ…?←←

※お遊びですwギャグですw







始業時間を過ぎ人気の少なくなった会社のロビー。
そこへ大きな鞄を抱きしめながら小走りに黒が入って来た。
受付を通り過ぎてエレベーターにICカードをかざして中に入ろうとし、彼は動きを止めた。

「よう、クロ」

空だ。
こんな時間に、何故こんなところに。
と黒は眉をひそめた。

「おはようございます……社長」

「遅刻なんて珍しいじゃないか。寝坊でもしたか?」

空はニヤニヤしながら、エレベーターの中へ黒を招き入れる。

「寝坊……は、若干しましたけど、なんとか間に合う時間だったんです。ただ、乗り込もうと思った電車が人身事故で止まってしまって……。遅延証明は貰いましたから。」

ほら。と、ぺらぺらの紙を見せつけると、空は黒の頭をわしゃわしゃとなで回した。

「そうかそうか、それは災難だったな。ははは」

黒はなで回されてぐちゃぐちゃになった髪を手櫛で整えながら不満そうに呟いた。

「もとはと言えば、あなたが夜中に電話なんか掛けてくるから悪いんですよ。俺は毎日きっちり8時間寝ないと朝起きられないんです!しかもなんですか、電話の内容が明日ご飯食べに行こうとか。そんなの今日になってから言えば良いじゃないですか」

「ほら、だって会社じゃ合うタイミング逃すかもしれないだろう?」

「それならメールで……」

「お前あんまりメール返してくれないじゃん」

図星を付かれた黒は言葉を詰まらせる。
確かにメール……というか電子機器があまり得意でない為、携帯を鞄の中に入れっぱなしということが少なくない。

「う……。もういいですよ……それで、なんでこんな時間にエレベーターに乗ってるんです?」

誤魔化すように問えば、空は少しの沈黙の後。

「窓からクロが走ってくるのが見えたから。迎えに来た」

と宣った。

「……はい?」

大手企業の社長ともあろう空が、一介の新人である自分を何故迎えにくるのか。
それを言ってしまったら電話番号やメールアドレスを交換して今普通に向かい合って話していること自体がおかしいのだが、それは置いておこう。

「だから……いいかクロ。俺は……」

空が何か言いかけたその時、タイミングが良いのか悪いのか、エレベーターが到着を告げた。

「あ、社長すみません!じゃあ俺はこれで!!ご飯!楽しみにしてますんで!!」

黒は勢いよく一礼し、エレベーターから飛び出して言った。

「……また逃げられたか」

残された空は深くため息を吐くと、最上階のボタンを押して扉を閉めた。





「今日は逃がさないからな……」







※次ページで挿絵ちっくな落書き。



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