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結界師(バレンタインver)
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押していただいてありがとうございます。
ブログ開設2周年ということで試しにweb拍手をやってます。
良守は烏森学園へ登校する時に見てしまったのだ。
時音がバレンタインチョコらしき包みを持っていることを。
誰に渡すのか気になった良守は授業中珍しく眠らずにそのことばかり考えていた。
『時音の奴、誰にチョコ渡す気だよ。時音に好きな奴なんかいたのかよ!?くっそ、どこのどいつだよ、時音を誑かした不届きな奴は!!』
良守はそのことばかりを考えて、昼休みを迎えていた。
良守は時音が気になり、高等部へ行こうとした時に百合奈に声をかけられる。
「墨村君、ちょっといい?」
百合奈に連れられて、屋上へと向かう良守。
「何か用なのか?また霊でも見たのか?」
「ううん、そうじゃなくて。何かあった時は墨村くんが退治してくれるって言ってくれたから安心したっていうか。だから、そのお返しを渡したくって。バレンタインだからって全然本命じゃないよ。義理、義理だよ」
「そうか、ありがたく貰っておくよ」
「うん、それじゃ」
百合奈は教室へと戻っていく。
良守は包みを手にしたまま高等部へと向かった。
「良守、チョコ誰に貰ったの?」
良守が声をした方を振り返るとそこには時音が立っていた。
「げっ、時音!?」
「何よ、その『げっ!?』て。昼間はこっち来ないでって言ったでしょ。何しに高等部まで来てるのよ」
「それはその…そう、神田が霊を見たって言うから様子を見に来たんだよ」
良守は咄嗟に嘘をつく。
「変ね…何も感じないんだけど」
時音は辺りを見渡す。
「なら私が見回っておくから良守は中等部に戻っといて」
時音はそう言うと良守の嘘を信じて見回りを始める。
良守は仕方なく中等部へと戻る。
良守は時音が誰にチョコを渡したのか分からないまま帰宅した。
「はぁ…」
玄関に時音の靴が置いてあり、時音が来たのかと急いで居間へと向かう。
すると、修史、利守、正守にチョコを渡す時音の姿があった。
そしてその包みは登校途中に見た包みそのものだった。
「良守、あんたにもあげるわ。正守さんにあげて、あんたにあげなかったら文句言われそうだし」
そう言って時音は一番大きな包みのチョコを良守に渡す。
「俺に!?マジで!?」
良守はチョコを受け取るとすぐに自分の部屋へと戻る。
うへへへとにやけてしまう良守。
その夜の烏森学園での妖退治に張り切っている良守は弱く小さな妖にも大きな結界で囲ったりしたために時音に考えて結界作りなさいとか力の無駄遣いとか小言を言われても痛くも痒くもないのだった。
<完>
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