9.



「確かに、ルークにしてみりゃ生みの親に当たるのかも知れねえな。

 だが、俺から見れば元々は縁もゆかりも無い相手だ。

 しかも仮想敵国の皇帝の懐刀だろう?

 まさか、自分の運命を引きずり戻してくれるなんてなぁ思わなかったぜ。



 ナタリアと再び手を繋ぐことが出来たのには感謝している。

 父上や母上と再会出来たことにも感謝している。



 だから、1人で何もかも背負い込むんじゃねえ。

 俺はてめえに、何も返せていない。

 俺だけで無くルークやナタリアやガイや、皆もそうだろう?」


─紅瞳の秘預言─



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