古キョン注意報







「あちぃーーー・・・・・・・・・・・・・」


アブラゼミの鳴き声にもいいかげん飽きてきた夏半ば。余計なガラクタはあるくせに扇風機の一台もないこの部室で、仕方なく俺は
CO2削減に協力するため、団扇で扇いでいた。


「にしても暑い・・・・・・・・・」


しかし、団扇から送られてくるのは温風のみ。


「囲碁でもしますか?」


「それで、涼しくなるのならな」


なぜ、俺がこんなニヤケ面と暑苦しい部屋で朝比奈さんの冷たいお茶も飲ませてもらえずに、二人っきりなのかと言うと。ハルヒが
長門と朝比奈さんを連れ去ってしまったからだ。開いた窓の向こうからハルヒの怒鳴り声と朝比奈さんの悲鳴が聞こえてくる。


「僕もあちら側に参加したかったですよ」


「そうか?あんな炎天下の中でレフ板を持ち続けてたら、倒れちまうぜ」


長門は汗一滴すらかかずにこなしているがな。


「では、あなたは僕と二人っきりでここにいた方が良かったと?」


「ば、バカ野郎!!変な事言い出すんじゃねぇよ!」


「冗談ですよ」


「ふんっ・・・・・・・・・・!」


何だか、余計暑くなった気がする・・・・・・・・・・・・。


「確かに。今日は朝比奈さんのお茶も飲めずじまいですしね」


「何か冷たい飲み物はないのかよ・・・・・・・・?」


「あぁ!それでしたら・・・・・・・・・」


「?」


古泉は何かを思い出したのだろう。席を立ち、冷蔵庫の前まで歩いていき、立ち止まった。


「これなんてどうでしょう?」


古泉が取り出したのはラベルに『初恋の味!!』と書かれている某清涼飲料水。


「ってかちょっと待て!!その冷蔵庫、機能してたのかよ!」


「えぇ、聞いてませんでしたか?昨日、涼宮さんが言っていましたけど、」


「あいつめ・・・・・・・・・・!」


「まぁ、そう怒らずに。どうです?一口」


「いるか」


何となく、俺は強がってみた。


「そうですか。では失礼して」


おいしそうにのどを潤す古泉を見てると段々、腹が立ってきくる。


「ちょっと、トイレに行ってきます。あと、」


「ん?」


「それ、飲みたかったらどうぞ」


古泉はそう言うと、半分ほど飲み干したペットボトルを机に置き、出て行った。


「・・・・・・・・・・・・・・・・」


のどが渇いた。だが、ここで飲むのは何か古泉に負けた気がする。それに男同士で間接キスなんてしたくもないし。う~ん!だが、のどが!!


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・少しくらいならいいよな?」


あいつは飲んでいいと言ったんだ、別に悪いことをするわけじゃないし。だが、それでも間接キスってのは・・・・・・・・。そう言えば、あいつの唇って柔らかそうだよな。
それに甘そうだ・・・・・・・・・・・・って何考えてんだ、俺は!!!そうだ!これはきっと暑さのせいだ。はははは!!そうに決まってる!


「だぁ~!!もう、飲んでやるよ!こんちくしょー!!」


俺はペットボトルを勢いよく掴み取り、そして!キャップに唇をつけた・・・・・・・・・・・・





















「おや、どうしました?どこか具合でも悪いのですか?顔が真っ赤ですよ」


「甘酸っぺぇんだよ!!この野郎~!!」


「?!」


困惑する古泉を置いて俺は部室を飛び出した。


「何の事ですかー!?」


後ろのほうから古泉が聞いてきた。それに対し、俺は叫んだ。


「初恋の味だー!!」










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