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THANX WEB CLAP!
****** 1. 銀時夢
****** 2. クロロ夢
****** 3. 不二夢
****** 4. 拍手限定中編連載 跡部夢
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―― 銀ちゃん、銀ちゃん!
ぺたぺたと、俺の後ろをひっついて必死に走ってくる。
―― おお! なんだ、付いて来ちまったのかァ?
緩んでしまう顔を隠すことも無く、振り返って抱き上げる。
―― 銀ちゃん!今日はね、絵を描いたんだよ!
そう言って広げた紙には、灰色で描かれたぐるぐるとしたカタマリ。
その下に、半楕円が描かれ、中には点、点、縦線、横線。
よく分からない星型のような、くねくねとした胴体が付いており、腰と思しき位置には木刀。
―― これ、銀さん?
自らを指差して問えば、
―― うんっ!
一瞬にして表情がぱあっと明るくなる。
嗚呼なんて、
―― オメェは可愛いなァおい!
頭をぐしゃぐしゃと乱暴に撫でてやれば、キャハハハと笑う。
―― 銀ちゃんいたいー!
嗚呼なんて、幸せな時間なのだろうか。
「なんでそんなとこ居んの銀さん、邪魔」
ていっ と、ソファから落ちて寝そべっている銀時を軽く足蹴にする。
蹴られた本人といえば、ぶほっ と蛙が潰れたような声を発し、むっくりと起き上がる。
その瞳には、蹴られたからなのか、欠伸によるものなのか、うっすらと涙が浮かんでいた。
「ちょっとー、銀さんは今幸せな夢を見ていたのだよ?邪魔しないでください。」
「はァ?邪魔なのは銀さんだから!ソファの下で寝るとかホント掃除の邪魔!
ていうか仮にも勤務中なんだから寝ること自体間違ってるし!だらしないよ、涎まで垂らして。」
掃除機を片手に、一息に言い切ってから、もう一度、と言わず何度も銀時に蹴りを入れる。
「ちょ、ちょっ、ちょっと!痛い痛い痛い痛いから!」
「だったら早く退いてよ」
もうー、口を尖らせてしぶしぶ起き上がる銀時を一瞥し、
ホントにもう、とか何とかぶつぶつ呟きながら、掃除を再開する。
「ちっさい頃はあんなに可愛かったのにねェ・・・」
「何か言った?」
声になるかならないかで呟いたつもりだったのに、即座に反応され、
「いーや、何も。」
両手を挙げて冷や汗をダラダラと流しつつ、そう言うしかなかった。
幸せは長くは続かないなんて、嘘だと言ってマイゴッド
「・・・覚えてるか?昔のお前の夢」
―― 銀ちゃんのお嫁さんになるの!
「・・・覚えてるよ、ちゃんと」
(だから今、アンタの部屋の掃除してんでしょ。)(そ・・・そっか。って、え、うそ、マジで?)
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NEXT IS ... Quoll
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