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↓以下御礼小説。お相手銀時です。












待ちに待ったクリスマスシーズン。



今年もこのイベントにのっかって
万事屋ではささやかながらパーティーを開くそう。



ちなみに万事屋の隣に住む私も
毎年このパーティーに参加させてもらっている。







「今年はワタシがサンタの衣装着るアル!」

「じゃあ僕はトナカイにしようかな」

『え!? えっと、じゃあ私もトナカイを・・・』

「ダメヨ カブり禁止ネ!」

「そうですよ!何か他のもの考えてきてください」

『・・・ハイ』





万事屋のパーティーは なぜかコスプレするのが
恒例になっていた。



そして他の人とカブるのは禁止。

今年はサンタもトナカイも取られてしまった。



昨年は新八くんがクリスマスツリーになっていたけど、
今年はどうしようかなぁ・・・









※※※











そしてクリスマス当日。



私は家で作った料理を両手いっぱいに抱えて
万事屋にやってきた。





『こんにちはー』





万事屋の戸の前で挨拶すると、
「ハイハイ」と奥から声がして ドタドタという足音が近づいてくる。





( あれ? 今の声って・・・)





ガラッ





「ハイ いらっしゃい」

『、あ・・・』







てっきり神楽ちゃんあたりが
出迎えてくれるだろうと思っていたけど、

そんな予想に反して出てきたのは
この万事屋の主人の彼だった。







『・・・あ、銀さん、こんばんは』

「おう。
あ? なんか すげぇ荷物だな」

『あ、はい!
唐揚げとか作ってきました!』

「マジでか」





そう言うと銀さんは私がやっとの思いで運んできた荷物を
片手で軽々と持ちさってしまう。

唐揚げ 、と聞いて嬉しそうに笑う銀さんは
別の風呂敷包みも興味津々で見ていた。







「なぁ こっちのは?」

「あ、グラタンとかキッシュとか
スパゲッティとか作ってみました。
洋食作り慣れてないから味変かもしれないですけど、
折角のクリスマスなので・・・
あ、ケーキも買ってきましたよ!」

「そんなに? なんか悪ィな。
つーか重かったろ。電話くれりゃあ迎えに行ったのに」

『 ! い、いえ、そんな!
すぐそこですから!』







一瞬、
銀さんがウチまで迎えに来てくれるところを想像してしまい
照れくさくなったって俯いた。









ケーキの箱を冷蔵庫に仕舞わせてもらってから
温かい部屋の中に通される。



部屋の中はすでに
クリスマスの飾りで華やかになっていた。



まぁ座れよ、と銀さんにソファを指されたので
お礼を言って座ると、

銀さんがすぐ隣に座ってきて
思わず立ち上がりそうになった。


だけど、なんとか堪えた。





『・・・っ、
あ、あの、銀さん、神楽ちゃんたちはっ?』

「あー、なんか紙皿とか足りねーっつって
夕方頃出掛けた。
もうそろそろ帰るんじゃね?」

『、そう、ですか・・・』







私と銀さんの会話はそこで途切れてしまった。


訪れる沈黙。





いつも万事屋に来るときは
神楽ちゃんと新八くんもいるので、
銀さんと二人きりだと、なんだか緊張してしまう。







『あ、あの!今日は寒いですね!』

「あー そーだな。
雪でも降るんじゃね?」

『ホワイトクリスマスってやつですね!』

「だな」

『はい・・・』

「・・・」

『・・・』







再び訪れてしまった沈黙に汗を流す。

しかも少しでも身動ぎしようものなら
銀さんと 肘と肘が触れてしまいそうだ。







(うう、き、気まずい・・・どうしよう・・・

・・・あ、そうだ!)







『あ、あの銀さん!
お隣のお部屋お借りして着替えてきていいですかっ?』

「あ?
ああ、またアレやんのか」






私と新八くん神楽ちゃんによるクリスマスコスプレは
毎年恒例なので
説明せずとも銀さんはすぐににわかってくれたようだ。







「今年は お前 なに着んの?」

『えっと・・・・・コレです!
クリスマスケーキ のコスチュームにしてみました!』

「斬新だなオイ」







持参した袋から今日着るものを出して銀さんに見せた。



サンタやトナカイ、
苺がのっているショートケーキの形をしたかぶりもの。

頭からかぶって丸くくり抜かれた所から
顔と手を出す作りになっている。

某量販店で売っていたものだった。



『じゃあお部屋お借りします』

「あいよ、ごゆっくりぃ」







ソファに身を預けてこちらに背を向けたまま
ヒラヒラと手を振る銀さんを見ながら
和室の襖を静かに閉めた。





ようやく1人の空間に避難できて
ホッと息をつく。



(まぁ着替えといっても、かぶるだけなんだけど・・・)





そう、
この衣装、着物の上からかぶるだけなので
特にお部屋を借りる必要もなかったのだが、



銀さんと二人の空間は緊張してしまうので、
それを言い訳に和室に逃げ込んだ。






ゆっくりゆっくり着ぐるみをかぶっていると

「ただいまヨー!」と神楽ちゃんたちが
帰ってくる声が聞こえて
ホッと息をつき、そろそろと和室から出た。





『神楽ちゃん、新八くん、おかえりなさい!
お邪魔してます』

「おおォォォ!
デッカいクリスマスケーキがいるアル!!」

「わ!初めて見ましたケーキのかぶりもの!
斬新ですね!」

「すごくカワイイヨ!」

『えへへ、ありがとう!』







ちょっと動きにくいけど
好評だったのでよかった。







「それでは皆さんご一緒に・・・」





「「『 メリークリスマス!!』」」

パンパンパンパーン





机に 持ってきたお料理を並べて、
飲み物も用意して。



私と神楽ちゃんと新八くんの掛け声と
クラッカーの音とともに パーティーが始まった。







「唐揚げウマイネ!!」

「このグラタンも最高です!」

「うめぇ コレなんだっけ ティッシュ?」

「キッシュですよ 銀さん」

『あはは!お口にあって良かったです』









残ってしまわないか心配していたお料理だったが
みんな(特に神楽ちゃん)が沢山食べてくれた。







『あ・・・そろそろ
デザートのケーキ出してくる?』

「え!ケーキもあるんですか!?」

『うん 冷蔵庫に冷やしてあるよー』

「でかしたネ!!ヒャッホーウ!!」

『待っててね。切り分けてくるから』

「あ、僕手伝いましょうか?」

『ううん、大丈夫!
ケーキはケーキの私に任せて!』

「はは!じゃあ すいませんがお願いします!」







廊下に出て
台所の冷蔵庫からケーキの箱を取り出す。


4等分して(ケーキ好きな神楽ちゃんと銀さんの分は
少し大きめに切って)お皿にうつしていった。





(・・・う、着ぐるみ着てると作業しにくいなぁ、
今だけ脱ごうかな?)







そんな事を考えていると
後ろで ミシ、と 床をふむ音が聞こえた。







『?
・・・あれっ?どうしたんですか 銀さん?』

「・・・」









振り向くと
乾杯の時から飲んでいたお酒のせいか
ほのかに顔を赤く染めた銀さんが立っていた。









「・・・それ、」

『、え?』

「・・・ケーキ ・・・・食っていいの?」







熱い視線に、
いつもより低くて甘い声。



そんな今まで見たこともない銀さんに、
私の心臓はドキンと音を立てる。



見てはいけないものを見てしまった気がして
慌てて銀さんに背を向けた。







「っ、あ、は、はい! 待っててくださいね!
今 切り分けてる ん、で・・・・』







尻切れとんぼになってしまった私の声。

後ろから降ってきた温かいぬくもり。



気付くと私は
流し台と銀さんの間に挟まれてしまっていた。









(・・・え?)









『え? え? 銀さ・・・?』

「そっちじゃなくて」

『っ、』





着ぐるみごとギュッと抱きしめられて、
お酒の匂いがする吐息が耳にかかって、



一瞬にして体に火がついたように熱くなった。



















「こっちのケーキのが・・・・うまそう」







おそるおそる振り向くと
間近に銀さんの顔があって。





次の瞬間には

バクッと唇を食べられてしまった。













ケーキより甘い君を召し上がれ



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