ありがとうございました!





紅茶屋店長とその「まなちゃん」





「あによー、徹夜明けなんだからもうちっと寝かせてくれたまえー」

「あのね、あの」

「んにゃ、なにかあったの!?」

「まなちゃん、約束覚えてないんだ」

「え?」

「もういい・・・」

「ちょ、ちょっと待って。なになに、思い出すから!えっと」



『さあ、さっそく読むぞー!』

『好きだね、あいかわらず。私は聞えないところに行ってるから』

『えー、読んだあと素直な感想を言いたいのにぃ』

『どうして?』

『どうしても。聞いてると恥ずかしいっていってるのに』

『だって、聞いてるだけじゃ・・・いいこと思いついた!』

『ううん、言わなくて良いよ』

『どうして!』

『どうしても!』

『一緒に読みたい!』

『なんてこと思いつくのよ!』

『一緒に読もうよ~』

『む~、そんなこと言ってもだめ』

『じゃあ、一週間ちゅう禁止』

『んぐっ!』


『首に噛み付くのもだめだよ』
『うぅ』

『あとぎゅうしてあげない』

『なんで!』

『なんでも!』

『う・・・うう・・・・』

『ね、いいでしょ?』 

『・・・・・・・・・・・一回だけだからね』



「あ~・・・そういえば」

「ひどいよ。たのしみにしてたのに」

「そんなに楽しみにしてたのかぁ」

「もういい、わたしも寝るよ」

「でもあれって、約束って言うよりはしぃーこちゃんが勝手に・・・あいた」

「もう知らないだからね」

「わ、わかったってば。どこを読んだらいいの?」

「あのね!11ページくらいのシーンからね!」

「落ち込んでないじゃん」

「えへへ」


「えへへじゃない!・・・・・・・・もうっ」
「っ!・・・・まだ、読んでないんだからしちゃだめだよ」

「でもさ、しぃーこちゃん。こっちより恥ずかしいこといつも言ってるけど。あれは違うの?」

「あれはまた、べつのことだから」

「あれ、最近は言ってないかも」

「そうかもね」

「なんで?」

「なんでも」

「まなかには言えないの?」


「まなちゃんだから、言えないんだよ」
「ん~・・・・」

「・・・・・・・コホン」

「わかった!この前、しぃーこちゃんがまなかに言ったことを漫画に描いたからだ!」

「どき」

「それでそれで、『ここは読まない』とか言ってた!」

「どきどきっ」

「そっかあ。って、恥ずかしいなら読まなきゃいいじゃない」

「だって、だって・・・・・・・読むのすごく楽しみなんだもん!」

「そんな、泣くほどのこと!」

「だって、まなちゃんの漫画も好きだし、まなちゃんも好きなんだよ」

「忙しいねぇ、しぃーこちゃんは」

「自分のセリフをもう一度読むのは恥ずかしいから」

「面倒だねぇ、しぃーこちゃんは」

「あー、わたしはどっちをとったらいいのかしら」

「・・・・・・11ページからでしょ。悩んでないではやく読んじゃおうよ」

「え、どうして」

「今日は特別だからね。その代わり、前みたいにまなかにも直接いってよね」

「漫画に描かない?」

「それはどうかな」

「やっぱり描いちゃうの!?」

「あのね、私も漫画に出てくるこの人と、しぃーこちゃんが好きなの」

「うん・・・」

「好きな人に、大好きって言ってくれもらえるのが、すごく楽しみなんだよ」









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