拍手ありがとうございます!

感想、誤字・脱字など、教えていただけると嬉しいです。
お返事はお返事ページで。





「っ…ぁ」

 胸元を探る手が、徐々に下へ降りていく。
 その手を制止しようと掴んだところで、目の前の男に意味ありげに見つめられて、自分の立場を思い出した。
 唇を噛みしめると、男の反対手の手が伸びてきて唇をなぞる。親指を押し付けられて、大人しく唇を開いた。

「…ふっ、う」
「いい子だ」

 促されるまま舌を絡めると、耳元で囁かれる。その少しかすれた声が、あの人を思い出させて俺は目を閉じた。



 じゃあ、これ。
 男は白い包みを俺に手渡して部屋を出ていく。
 俺は疲れた体を起して、包みを握りしめた。これで、あの人はあと数カ月は生きられる。そう思えば、涙なんて出なかった。




感想頂けると嬉しいですv お名前は任意です
お名前
メッセージ
あと1000文字。お名前は未記入可。