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※何もないと寂しいので、暁が戯れに書いた書きかけ小説をイントロだけ以下に掲載しています
タイトル:姉弟(仮)
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毎週欠かさずにチェックしているお気に入りのテレビアニメを観終えると秀一はいつものように
ノートパソコンを開いた。
ポテトチップを一枚頬張り、脂がついた指で構わずに起動ボタンを押すと、ブーン、という静か
な駆動音とともにウィンドウズの画面がゆっくりと起ち上がる。
黒い起動画面に映る自分のずんぐりとしたシルエットを見るとはなしに眺めながら、秀一はテレ
ビゲームのやり過ぎで細くなった目を擦り、寝癖だらけの髪を掻いた。
久しく洗髪していない頭皮からぼろぼろとフケが落ちるが気にも留めない。
不健康に太っているために老けてみえるが、秀一は十五歳。今年の春に高校に入学したばかりの
高校一年生だった。近くの公立高校には毎日通っているので引きこもりではないが、親しい友達
はいない。
学校が終わるとまっすぐ家に帰ってきてお気に入りのテレビアニメを鑑賞し、それも終わると自
分用のノートパソコンを開いてネットを巡回する。夕食時には家族の前に顔を出すが、食べ終わ
るとまたすぐに部屋に篭って、夜は夜でPCのアダルトゲームをやるか、ネットのアダルトサイ
トを巡回している。
秀一の生活はそんなサイクルでまわっていた。
その不健全な生活について母や姉からはしつこく小言を言われるが、彼は自分の生活を変えるつ
もりはなかった。彼はあまり3Dの世界(立体、つまり現実の世界のことだ)には興味がないの
だ。
彼の興味は主に、二次元(漫画、アニメ、あるいはゲーム)の中にあった。
秀一は平面の世界に描かれた少女たちを愛していた。例え自らは三次元世界の住人で、二次元の
彼女たちには触れることができないとしても、愛らしい彼女たちの波乱万丈の物語を、傍からた
だ眺めているだけで、彼は十分に幸せだったのだ。
つまらない現実の世界に目を向けようとは考えたこともなかった。
そんな彼に変化が起こったのは、去年の夏のことだった。
去年の夏休み、秀一は生まれて初めて現実世界の少女に恋をした。
お気に入りの娘が出来たときの彼の行動は、相手が漫画やアニメのキャラクターでも、現実世界
の少女でもさほど変わりはない。集める情報が二次元から三次元に替わるだけのことだ。
彼は手を尽くして現実世界の少女に関する情報を収集した。幸いなことに秀一が恋をした少女は
有名人だったので、ネット上でいくつかのサイトを漁るだけで動画や画像データを含む大量のファ
イルが簡単に手に入った。
PCが完全に起ち上がると、秀一はマウスを操作してデスクトップからお目当てのフォルダを開いた。
アルファベットで「Kanako」と書かれたそのフォルダには、秀一が生まれて始めて恋をした現
実世界の少女に関するファイルが大量に、ところせましと並んでいる。
秀一はその中から一目で目的の動画ファイルを探し出した。
ファイルの名前は『加奈子・オリンピック決勝』となっていた。
秀一がこれまでに集めた彼女に関するファイルのなかでも一番のお気に入りの動画だった。
机の左右に新しいポテトチップスの袋とコカ・コーラのペットボトルを配置して完全な鑑賞モードに
なると、秀一はファイルの再生ボタンをクリックした。
つづく
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