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■去勢公園2◆入口

埠頭のはずれにある菱島公園。
夜間は近隣の道路が封鎖され、人のいなくなるこの公園は、
別名『去勢公園』と呼ばれている。


当たり前だが、『去勢公園』に入る際は必ず入口を通ることになる。
公園にはいくつか入り口があるものだが、
ここでは普通、駐車場のある西側入口のみが使われる。

裏道を使わない限り、夜10時には道路が封鎖されてしまうので、
その頃から人が集まり、祭りの前の歓談で賑わってくる。
なぜ去勢したいのか、されたいのか、
どんな風に去勢したいだの、されたいだの、
この前はこんな去勢を試しただの、
去勢する者、される者が和気あいあいと話しているのは
どことなく奇妙な感じのする光景でもある。

菱島公園が『去勢公園』となるのは、第二金曜の深夜0時から2時までの2時間だ。
11時40分頃になると、徐々に人が公園内へと入っていく。

中に入ろうとすると、駐車場の出入り口にいる女に、
「今日何曜日ぃ?」とぶっきらぼうに聞かれる。
去勢志願者か、去勢をしたい側か(またはそれ以外の一般人か)確認を取り、
同時に入園者を管理する『門番』と呼ばれる役だ。
これは去勢公園の暗号のようなもので、
開催日の第二金曜を「金2つ」とかけて、キンタマをどうする側かということだ。

ここで去勢志願者は、“される方”であることを『門番』に伝える。
「捨てに来ました」「壊れました」など、喪失や破壊を示唆する言葉でも代用OKだ。
去勢したい側はその逆で「する側です」や「もらいに来ました」などと答える。

ちなみに、どちらの答えでもない場合、一般人であることを確認して、
本当に一般人だった場合は「中でサバゲーやってて危ない」と入園を止め、
それでも仕方ない場合は『門番』によりクラクションと常連の執行者たちへのメールで
中止を告げることになっているが、過去にその例は一度もないという。

中に入ったら、去勢志願者は下をその辺に脱ぎ捨て、タオルや布だけを巻いて股間を隠す。
上は脱いでも自由だが、この布以外はつけてはいけないことになっている。
この姿で公園内を好きなようにさまよい歩き、去勢してくれる相手を探すのだ。

去勢執行者を希望する者は、目印として赤いスカーフをどこかに巻く。
なんでも、この公園で起こった去勢リンチ事件の当事者といわれる、
スケバンのセーラー服のイメージだそうだ。



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