拍手お礼小話 【誕生日】
「誕生日、ですか」
離れの縁側に腰掛けて、湯呑みを手に瞬きをした一期一振に、隣に座った天下五剣はニコニコと頷いた。
「うん。近頃の人の子はな、生まれた日を毎年祝うのだそうだ。ぷれぜんとを貰ったり、ケーキを食べたり出来て、
皆からおめでとうと言ってもらえる、それはそれは嬉しい日だと聞いた」
「なるほど……しかし我々は打たれた日はおろか、打たれた年すらよく分かっておりませんからなぁ」
苦笑いをして湯呑みに口をつけた夫の顔を、とびきりの美貌が覗き込んで「そこでだ」と口を開く。
得意げに告げられた提案に、一期一振はパチリと二度目の瞬きをした。
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