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※4頁掲載中※


















罠だとしたら厄介だ。


オレの力が意味のないものになるなんて。

















31話目です。


どうぞ↓



























【襲撃 肝心な時ほど】





























「ロッド、貴様はリキッドを探していろ!私は無線機で隊長に連絡を取る!何かあれば貴様の能力で居場所を教えるんだ、いいな!」


マーカーは身を翻すと素早く元来た道を戻っていった。



そうだ、呆けている場合じゃない。
人を捜すのならオレの方が断然向いている。


力強い目。
瞬時に判断したマーカーに驚きつつ心を落ち着かせて集中し始めた。








通りを浜風が吹き抜ける。

街から押し寄せる硝煙と土煙の臭いに邪魔されるも、一つの匂いだけを追って風を嗅ぎ分ける。



しかし、おかしなことにリキッドの匂いまでたどり着けない。

もう一つおかしなことに気付く。
嗅いだことのない花の匂いが辺りを充満してきたのだ。


潮の匂いを運ぶ浜風ですら薄れて、しばらくしたら花の匂いしかしなくなっていた。

この辺りにそれだけの匂いを起こす花は咲いていない。
太陽が強く照りつける土地だけに瑞々しい匂いを出すような花は自生していないはずだ。
そんな花の姿も見えていない。




妙だ。


リキッドの失踪と街での爆発。

関係あるのか分からないけど、嫌な予感がじわじわと沸き上がってくる。



ふとここへ来る前、艦でのことを思い出した。

無風の空間で起きた風。

あれが意味していたものは”これ”なのだろうか。


「……リキッド…っ」


自身の中で芽生え始めた考えを払拭したくて、とにかく走り出した。












街から逃げ出してきた人たちが悲鳴を上げて助けを求めてどこへともなく逃げ惑う。

その混乱の中を縫って走る。


そろそろマーカーが隊長に連絡を取って指示を仰いでいるはずだ。


この混乱を起こしたのは誰か。
恐らくオレたちガンマ団に仇なす者の仕業だろう。
昨日まで近くの国で軍を一つ潰してきたばかり。

それの残党か。

だとしたら、随分と対応が早い。

ほんの一日前だ。
即座に機を起こせるような軍隊ではないし、周辺諸国にもそれだけ俊敏性のある軍はない。はずだ。




走っても走っても鼻をつくのは、土埃と硝煙の臭い、それから嗅ぎ慣れぬ花の匂い。


「くそっ…」


風を起こしてもリキッドの匂いは運んでくれない。

いくら探してもリキッドが見つからない。

このオレが見つけられない。


一体、どこへいったというのだ。





焦燥のあまり足を止めて呆然と立ち尽くした。






















Next story…?



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