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 「まだ痛みますか?」
男が後堂の足に巻かれた包帯と添え木を指で弾くと、軽いうめき声がした。
本当は3歳ぐらいから行うものですからねぇ、と言う彼に「昔の中国の女性だけですよ」と反論する元気さえ後堂にはない。
「ふふっ 臭いますねぇ」
高級な茶葉をほぐすような手つきで足先を掴まれ、嗅がれる。もう10日も洗えず、また、無理な縛り方をしているため血等色々にじんでどうしようもないにおいになっている彼の足を。
 あの夜の後、残された退職金450万を元手に後堂が東華会の卓に着く資金をマンション麻雀で稼ぎだすのにそう時間はかからなかった。しかし、後ろ盾なしにそんな目立つことをしてはいけない業界である。窮地に陥った彼に救いの手をさしのべたのは劉、そして走狗の江崎。あの卓に付くために必須の面子であるため、庇護を受けるために彼らの提示する「枷」を後堂は受け入れることにしたのだが、それが纏足という物理的な「枷」であるとは彼には思いもよらなかったのだ。劉に招かれた後堂は風呂ののち旗包に着替させられ、医者と数人の屈強な男どもに足を拘束されてしまったのだ。
「もう育ちきっちゃってますから、切り落とすかバレエのトゥみたいな形に固定するかなんですけど。切るのは熱もでるし嫌ですよねぇ ……トゥでいきましょ 子供の頃から纏足した足のように折り曲げた形の。」
江崎の指図で細い添え木に足を縛り付けられる。足首に踵がくっつくまで折られ、後堂は悲鳴をあげた。しかしそれはまだ序の口で、つま先と指を、幼い頃から纏足をした娘のサイズになるように折られ、これも縛り付けられた。さらに踵とつま先裏がつくように折られる。気を失い、気がつけば寝台に寝かされ、脇に尿瓶とでたものを貯めるための瓶が置いてあった。
「やっぱり熱、でちゃいましたねぇ 子どもでも出るらしいですけど」
脇でニヤニヤと眺めていた江崎を熱に浮かされながらも睨みつける。
「そんな顔しないでくださいよ?寝てる間におでこ冷やしたり体拭いたり色々処理したの私なんですから感謝して欲しいくらいですよ」
彼の言うことがどこまでか本当かわからないといった風情で、後堂はただ「最低」と呟くと眠りについた。
「あらら 結構気がお強いんですねぇ…… 行動を物理的に制限すれば制御できると思ったのですけど。この分じゃ治ったあとも一人で何でもどこへでも行っちゃいそうだ 困るなあ」
残念そうな口ぶりと裏腹に、江崎は嬉しそうに再び後堂の足のにおいを嗅ぐと、それにいとおしげに口付けをした。
<了>




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