今日はカインの授業の日。
作戦の準備もある中でやっとやりくりした貴重な時間。
わたしよりもきっと外を飛び回るカインの方が忙しいんだろう。
だって、もう数日会えない日が続いていたから。
図書館のドアを開ける前に、髪の毛をチェックする。
……授業に身だしなみは関係ないとカインは笑うだろうか。
それとも良い心がけだと褒めてくれるだろうか。
意を決してドアを開ける。
いつもの席にカインはもう座っていた。
けれど……
「カイン?」
いつもなら真っ先に挨拶をしてくれるカインが黙ったままだ。
おかしいな、と顔を覗き込むと、カインはこっくりをしていた。
「疲れてるんだね……」
一応声をかけないと後でカインは貴重な時間を無駄にしたと残念がるだろう。
「カイン?」
もう一度だけ声をかけてみたけれど、カインは起きない。
隣に座ると眠っているからか伝わってくる体温がいつもより高い。
「たまにはこういう日もいいよね」
今日は天気がよくて図書室のなかはぽかぽかしている。
ふわふわ漂ってきた眠気に身を任せ目を閉じれば、
直ぐに眠りが落ちてきた。