【拍手お礼SS ver.1-星昴編-】


#01

『和菓子職人×洋菓子職人でライバルな2人の設定で付き合ってないけど甘々な雰囲気』

※お題は「シチュお題書くったー」様よりお借りしています


「おや、奇遇ですね」
コンデスミルクを探して店内を歩き回り、ようやく売り場を見つけたと思えばそこには星史郎の姿があった。
しかも、最後の1缶を手にしている。
「こん、にちわ……」
挨拶をしながら星史郎の手にある赤い缶を見つめていると、視線に気がついたのか、星史郎はそれを昴流に見せた。
「もしかして、これをお探しですか?」
「えぇ、まあ……」
昴流は歯切れ悪く答える。
今から他の店を探しに行く時間は無いと、店員に在庫を聞いてみようかと思ったその時だった。
「どうぞ」
星史郎が昴流の持っていたカゴに缶を入れた。驚いて視線を向けると、星史郎はにこりと微笑んだ。
「その代わり、今度のお休みの日は僕に時間をください」
「え?」
「今、新作を作っているので、味見をお願いします」
そう言うが、昴流は洋菓子、星史郎は和菓子と菓子といえどジャンルが違っている。
「あの、僕は和菓子には詳しくありませんが……?」
「それでも、美味しいか美味しくないかの判断はできるでしょう?」
確かに素人よりは味の判定は出せるはずだが、同じ和菓子職人に聞かなくていいのだろうかと不思議に思っていると、星史郎は昴流の耳元に唇を寄せた。
「もしくは、君を味見させてもらいましょうか?」
「ふ、ふざけないでください!」
ばっと腕を振り上げて距離を取ると、星史郎はくすくすと笑いだす。
「ふふ、これは冗談です。本当に可愛いですね」
そう言って星史郎は、では今度のお休みにと残して棚の奥に消えていった。
昴流は吐息の感触が残っている耳をゴシゴシと拭ったが消えることはなく、その日の夜、仕事を終えてシャワーを浴びるまでずっと残っていた。


※終※



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