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普通を愛する少女と普通じゃない人たちの学園生活

朝学校に行って、先生の眠い授業を受けて、他愛無い話をしながらお弁当を食べたり、友達と寄り道をしながら帰ったり、時には委員会で遅くなった時に憧れの先輩が送ってくれるとか言うベタな展開があったりして。そんな普通の学生生活を夢見てただけなのに…。どうやら私は高校選びの時点で「普通」から外れてしまったらしい。

私の通う来神高校はいたって普通の高校だった。だった、と過去形なのは現在それとはかけ離れた状況にあるからだ。「普通」である私が彼らと出会ったのはきっと神様が寝ぼけて普通という字をちょっと間違えたせいだ。そうに決まってる!でなければ、目の前で人が飛ぶなどと言う異常現象が起こるはずがない。

「ちっ、朝っぱらからうぜぇ…」

目の前で人が飛ぶという異常現象を起こした元凶である平和島静雄。来神高校で普通ではない人物の一人。とにかく関わってはいけない。来神の生徒なら誰でも知っている。そんな人物が目の前にいる。しかも至極不機嫌そうな様子で。

『(…これが死亡フラグってヤツですかね!?)』

冷や汗をダラダラ流す私に気付いたのか、彼の視線が私に向く。関わらないという選択肢は潰えたようだ。

「……おい、お『ききき今日はいいお天気ですね!いやホントに!!こんないい天気だから人が飛ぶんですかね!?それはもう綺麗に見事に飛んでたので見てて惚れ惚れしましたよ!ああもう学校始まりますね!じゃあお先に失礼します!』」

相手が何か言う前に一言で捲くし立ててそのままダッシュでその場を後にする。自分でも何を言っているのか分からなくなったがそこは気にしない。ポカンとした彼の顔が見えた気がするが、それを確認する余裕も無く学校へと全力疾走した。

こうして、朝普通に」学校へ行くと言う当たり前の日常はあっけなく崩れ去った。




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