来世で女子はじめました☆『仁王君のプレゼント』

「じいちゃん。これ、プレゼントじゃ」

朝、仁王君が教室にやってくるなり、何やら可愛らしい包みを渡された。
包装紙は藍色で、金色のリボンが巻かれている。
なんとも趣味の良い包装に、私はヒクリと口が引きつった。
周りの女子の目が痛い。彼女達は一体何をプレゼントされたのかと興味津々である。
しかし、今日は私の誕生日というわけでもない。
一体何のプレゼントなのだろうか。

「仁王君、私は近々にお祝いされるイベントがないのだけれど…」
「まぁ、ええから。開けてみんしゃい」

不安である。女子の視線が一層集まってきた。
後ろから、「指輪? アクセサリー?」という声が聞こえる。
仁王君に限ってそれはないとはわかっているものの、
万が一女性らしいものだった場合、私は酷い目に合わせられるのではなかろうか。
不安である。何度でも言うが不安である。

「ほら、早く開けんしゃい」

急かされて渋々包装を剥がす。中に入っていたのは銀色のカードケースのようだ。
様子見している女子の「え? 何あれ?」という声が聞こえる。

なぜ急にカードケースを? チラリと仁王君を見ると、中! 中! と催促された。
あぁ、中に何か入っているのか。不思議に思って中を開けてみる。
そこには紙の束が入っていた。紙に書かれた文字を読んで、私は言葉を失った。

『肩たたき券 有効期限 3ヶ月』

この場合、俺はなんというべきなのだろうか。
敬老の日か~いwww と小粋な突っ込みの一つでも送るべきなのだろうか。
それとも、丁度肩がこっていてね。早速一枚使おうか、と話に乗るべきなのだろうか。
周りの女子はプレゼントの中身を知った途端、コソコソと話をし始めた。
あぁ、これはもう夕方には知れ渡り、幸村君に誂われるだろう。部活に行きたくない。

「いらんかったか…?」

あまりにも俺のリアクションが無くて、仁王君はがっかりしている。
これはガチプレゼントだ。と慌てて笑顔を作る。

「!? いや、急にプレゼントを貰って吃驚しただけだよ!
 えぇと、大事に、使わせて、もらうね…!!!」
「! 大事にしすぎて使わないパターンはなしぜよ!」

仁王君は私の回答に満足して教室から出て行ってしまった。
私の掌にあるカードケースには100枚はありそうな紙の束が詰まっている。
3ヶ月でこの量って一体どういう計算なんだろうか? 私は枚数を数えてため息をつく。
手にした肩たたき券は紙のはずだがずっしりと重かった。



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