一応、巡音ルカ&MEIKO(?)拍手有難うSSです。
ご覧になって下されば幸いです。

毎日の家路をたどっている…黄昏色に沈む世界で。
それは4年前から変わらぬ風景…
ぶら提げた買い物袋も暮れ急ぐ街も…
ただ違うのは某雑貨店の大きな袋に入った2つ組のクッション…

あー なんでこんなモノ買ってるだろ… 柄にもなくさ…
それもこれも新しくできた妹が……妹が……

一昨日からデスクワークに追われ深夜にパソコンとにらめっこをしていた…
賑やかで忙しないこの家で唯一静かで穏やかな時間。

そしたら毎晩ルカがコーヒーを持ってやってくるようになった。
まぁそれくらいはミクだってリンだってしてくれる。
…ただミクはやたら話しかけてきたり、リンは手伝おうとして結局手間取ったりするんだけど…。

ルカは…ただ…ベッドに浅く腰掛けている…自分から話しかける事もなく…

時々紡がれる優しい声音と穏やかなに優しく細めた目で見つめられると、くすぐったくてこそばゆい感じがする…

………だからってクッション買うこともないか…
でも今までこの部屋に誰かを招きいれる事なかったからいつも座らせるトコに困んのよね…

しかし昨日まで無かったモノがあったらルカは変に思うだろうか…いやいや単に押し入れから出したものと思うわよ、きっと…

……何 緊張してんのよ?妹に…
単に“物珍しさ”よ。今までにないタイプの妹に新鮮さを感じてる…それだけよ…それだけ…

ああもう、そんな顔をしてたら 家に帰れないじゃない、落ち着いて 落ち着いて深呼吸。 よし、落ち着いたっ

ガチャ
「ただいま〜ぁ……」
「お帰りなさい。MEIKO姉さん。」

玄関を開けるとそこにルカが優しく微笑んでくれた。出迎えてくれたのか、たまたまそこに居たのか…。

「で、出掛けるの?」
「いえ、……荷物持ちましょうか?」
「あ、あぁうん。その、えっと、じゃ、これ冷蔵庫に入れといて」
「はい。」

気恥ずかしさにしどろもどろになりながら2階へと。
ルカは何も訊かずただ静かに見送るだけ。
それがなんだか口惜しくて…

「ルカっ!今日中に仕事片付けるからっ!終わったら私の部屋で祝盃よっ!!わかった?」
「ぇ……はい」

手摺から身を乗り出してみたら ルカはふっと微笑んだ。
その笑顔はとても綺麗で…また私は甘美な気恥ずかしさにパタパタと階段を駆け登った。



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