一応、『けいおん!』唯&梓(?)拍手有難うSSです。
ご覧になって下されば幸いです。

『私、あずにゃんに出逢えてよかったよ!』

…今の世の中都合のいい時にか切迫詰まった時にか輕口にか感謝の言葉は口にしない…。
それなのにあの人は…
そんな魔法の言葉は真っ直ぐ私に向けられた…

ぎゅっと腕を掴んでぴったりくっつくように身体を寄せられると…
胸の奥まで暖かくて…何かがすとんと落ちるのを感じた。
それは何かは…気付かないふりをした…。


「あー今夜もこの状態かぁ…明日が日曜日だからいいけど…」

唯先輩の告白を受けたあの日から、先輩は私の家に入り浸ることが増えた。

まだ『答え』を出してないのに土曜日になるとお泊まりにくる。

そしていつも別々で寝ていても布団に潜りこんできて抱き枕状態。

いや、以前 ギターと添い寝してたって聞いた事があるから『ギー太』と同じ扱いか。
まぁ布団占領されて寒い思いをした憂よりかはいいけど…


「ん…重い…」
やっぱり寝苦しいので先輩の腕を振りほどき身体を起こした。

夜の帳が降りた外の景色は漆黒に包まれて何も映さない。
ただ寂しさを感じるほどに孤独に見えた月がぼんやりと浮かんでいた。


『…そんないきなり言われても…『答え』が出るまで考えさせて下さい』

…唯先輩は鈍いから気づいてないでしょうけど…
本当は先輩が決意してくれた時に私もこの気持ちと向き合ってるんです。
でも私は逃げている。
その一歩を踏み出すのが怖くて先輩の好意に甘えてる…。

「…ごめんなさい。」
「うみぅ~あずにゃ~ん、もう朝~?」
「!」
眠る本人に伝える事が出来ず月に向かって謝る私に柔らかく蕩けたような言葉が降りてきた。

「いえ、まだ…あ…起こしちゃいました?」
目をしばたたかせながら焦点のあわないぼんやり寝惚け顔に吹き出しそうになる。
もぅちゃんと髪を乾かしてなかったのか髪もボサボサ。

「あずにゃ~ん…」
と、先輩は抱き締めながら私の身体を押してベッドに倒れ込む。
パジャマ越しに伝わる熱と穏やかな鼓動。
「ちょっ!…もぅ唯先輩!」
「あずにゃん寒くない~?」
「え?…寒くないですよ?」
「うにぃ~良かったぁ~オヤスミぃあずにゃん」

そして数分と経たぬうちに寝息が聞こえてきた。
結局、私は唯先輩の腕の中。

でも少し苦しいけど心地いい。
まだ先に踏み出す勇気はない私にはこれで十分。

だからとりあえず 嬉しいような困ったようなこの形容し難いこの顔を明日までなんとかしなきゃ。
唯先輩 にぱっ、と笑っていつも私の顔を覗きこむように身を乗り出すんだから。



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