不思議なものだ。
今わたしは、この広い世界にいる。
ギルド……という集団のリーダーとしてこの世界樹の前にいる。

ストレイキャット。
どこかの国の言葉で迷い猫、という言葉だ。

第１６王子として生をうけ、ただ宮殿で暮らす日々とは違う。
わたしの世界に色がついたのだ。

生真面目で、だがどこか抜けているソウタ。
小動物のようにくるくるかけまわるウィル。
そしてそのウィルの後ろを追いかけるエレ。

そんな小さな彼らを守るように盾を掲げるわたしのナイト、ニーニャ。
彼女には頭が上がらない。

だが、これって家族のようではないか？
真面目な長男に、しっかりした長女。
そしてかわいらしい末息子。
それをたしなめる、わが愛しい妻……。

……冗談だよ、ニーニャ。
だから、だからそんな睨まないでくれ、ね？
ね、だからぁっ！！！