アカリ:そういえば、世の中には漢字検定なんてものがあるらしいね。
シュウ:今まで知らなかったんかい……
アカリ:でもさ、テストの全部が漢字の問題なんでしょ?
シュウ:そりゃ、漢字検定って言うほどだからね。
アカリ:そんなの答えてたら、頭の中グチャグチャになっちゃうよ……
シュウ:じゃあ、受けてみる?
アカリ:え!今あるの?
シュウ:過去問だけど、模試みたいな形にはなるでしょ。
アカリ:漢字は特に苦手なんだけど……
シュウ:ま、やってみるだけやってみればいいじゃん。
アカリ:……よし!やってみよう!
シュウ:お、珍しく乗り気だね。じゃ、3級(中学レベル)に挑戦してみようか。
アカリ:ドンと来い!



シュウ:結構おもしろいね、これ。
アカリ:かなり重いんだけど、これ……
シュウ:さて、採点した結果、どうだった?
アカリ:う……はい。
シュウ:え!200点満点中58点!?
アカリ:う、うん。
シュウ:中学の間何してたんだよ!
アカリ:漢字の小テストだけは、一度も一発合格したことないもので。
シュウ:そんなにひどかったのか……
アカリ:ははは……
シュウ:あ、でも、読みのところは大体あってるね。
アカリ:でしょ?読みは得意なんだよ。
シュウ:「擦過傷(さっかしょう)」のところを「こすりかしょう」って読んでるけど。
アカリ:「さつ」なんて読み方、習ってないもん。
シュウ:「摩擦」の「さつ」だよ!
アカリ:あ……ま、摩擦なんて習ってないもん。
シュウ:それはさすがに言い訳としては成立しませんよ。
アカリ:うう……
シュウ:え〜と……うわ、部首のところ全滅。
アカリ:部首なんてどうしようもないでしょ。
シュウ:書き取りのところも、殆ど欄が埋まってないんだけど。
アカリ:だって〜……
シュウ:「授ける」ってところも「授る」になってるし。
アカリ:あちゃ〜。
シュウ:「閉じる」も「開じる」になってるし。
アカリ:あらら〜。
シュウ:「降参」のところが「倒産」になってるし。
アカリ:痛いね〜。
シュウ:他人事みたいに言わないの。この「倒産」の部分は問題の読み間違い?
アカリ:ま、そうなるかな。
シュウ:胸を張るなよ。さすがに「倒産」はないと思うんだけどな〜……
アカリ:いや、でもさ、問題文だって「白旗を揚げてコウサンした」ってあるじゃん。
シュウ:うん。
アカリ:「白旗を揚げてトウサンした」でも十分通じるじゃん?
シュウ:いや……それはかなり比喩が使われてるから……というか、その表現あまり使わない。
アカリ:う〜ん……やっぱりダメか……
シュウ:それに、アカリ。
アカリ:ん?
シュウ:問題文は「揚げて」じゃなくて、「掲げて」なんだけど。
アカリ:……あ、本当だ。
シュウ:やっぱり挑戦させるのは10年早かったかな……



アカリ:そういうシュウはどうなの?
シュウ:へ?
アカリ:あんだけ散々言っといて、点数悪かったら……
シュウ:じゃ、はい。
アカリ:あ、これ答案?どれどれ……
シュウ:……どう?
アカリ:188点も取ってる……
シュウ:アカリにつっこむ権利、あるだろ?
アカリ:うう……。どこ間違えたのよ。
シュウ:部首のところで何問かと、熟語作る問題で何問か落としたぐらいかな。
アカリ:すごいね、シュウ。
シュウ:アカリが低いだけだろ。
アカリ:ぐぅ……
シュウ:もっと漢字の勉強しなよ?
アカリ:じゃあ、いろんな漢字教えてよ。
シュウ:例えば?
アカリ:例えば……読みにくい漢字とかさ。
シュウ:読みにくい漢字?
アカリ:最近「難読漢字」とかいうのがフューチャーされてるじゃん。
シュウ:フィーチャーだよ。
アカリ:だから、そういう問題、何問か出してよ。
シュウ:ん〜……じゃあ「蒲公英」とか?
アカリ:え〜…?う〜ん……
シュウ:ヒントは、春に咲く花、かな。
アカリ:「こすもす」かな?
シュウ:コスモス(秋桜)は秋の花だよ……
アカリ:あ!「たんぽぽ」だ!
シュウ:正解!
アカリ:わ〜!あたし、これなら結構いけるかも!
シュウ:さっき「こすもす」なんていってたのはどこの誰だか……
アカリ:次出して〜。
シュウ:じゃあ、「心太」は?
アカリ:「しんた」だ!
シュウ:まんまじゃん!
アカリ:何かヒントは?
シュウ:ヒントは……こう、つるんってしてて、弾力性があって……
アカリ:こんにゃく(蒟蒻)?
シュウ:あ〜、惜しい。答えは「ところてん」でした〜!
アカリ:……何それ。
シュウ:…あれ?知らない?
アカリ:どっかで聞いたことはあるけど、見たことは……
シュウ:あ、論外だ……。
アカリ:もう少しわかりやすいのにしてよ。
シュウ:いろいろと注文多いな……じゃあ「烏」は?
アカリ:「とり」じゃん。
シュウ:言うと思った……
アカリ:え〜!どうみても「鳥」でしょ!?
シュウ:よく見てみ。中の棒が一本足りないでしょ?
アカリ:……あ!本当だ!
シュウ:これ、結構有名だと思うんだけどな……。
アカリ:え〜とね……「とノ」だったり?
シュウ:え、なんで?
アカリ:「とり」一本棒を抜いて……
シュウ:……殴られたい?
アカリ:ひゃ〜!ごめんなさい!
シュウ:ヒントは黒い鳥!あ〜、ここまで言えばわかるだろ。
アカリ:「はと」か!
シュウ:黒くないじゃん!
アカリ:あ、そっか……
シュウ:はとは「鳩」って書くの。クッククック鳴くから、鳥の隣に「九」がついてるわけ。
アカリ:へぇ〜!そうなんだ!
シュウ:そ。で、黒い鳥といえば?
アカリ:もうわかった。「からす」でしょ?
シュウ:うん、正解。
アカリ:これでからすって読むなんてね〜。漢字って難しいね!
シュウ:一生言ってろ。
アカリ:ふぇ〜!なんか冷たくない?
シュウ:黒い鳥のときに「はと」って言った時点でやる気なくなっちゃった。
アカリ:………ごめんなさい……
シュウ:じゃあ、これから漢検の勉強して、漢検取ることを約束しますか?
アカリ:……約束しなかったら?
シュウ:一発殴らせて?
アカリ:あ!約束します!絶対取ります!
シュウ:うん、その心意気!応援してるよ!(ニコッ)
アカリ:その笑みが異様に恐いんだけど……



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