突然ですが大変です。
ロイドが頭を打って記憶喪失になりました。
「あはははははっロイドくんが記憶喪失とか…っでひゃひゃひゃひゃっ!」
「笑うな!てゆーかお前それでも俺の恋人だったのかよ!」
「や、だって…っでひゃひゃひゃっ!」
「っー!バカにしやがって…!」
「まぁまぁ…あー笑った笑った」
俺はどうやら打ち所が悪かったらしい。
目が覚めたらなんも覚えてなくてとりあえず自分の名前だけは覚えてたから助かったけど
ベッドの近くにいたこいつに話を聞いたらもうずっと笑いっぱなしだった
何がそんなに面白いんだよ!って怒ったらどうやら何も覚えてないことが面白いらしい。
―――そんな俺はこいつと恋人だったらしいけど
「恋人つっても?特になにがあったわけでもないし。またここから新しい関係でも作りますか?ロイドくん」
「・・・お前はそれでいいのかよ」
「うん?俺様はかまわないよ?だってロイドくんはロイドくんだし?」
「・・・・わかった。お前がそれでいいならそれで…」
記憶が戻るかなんて保証はない。
なら前向きにここから新しい関係を作るほうが得策だ
しかも元?恋人からの提案だし俺はそれを素直に受け入れる。
「んじゃまぁまずは呼び方から変えてみる?」
「呼び方?」
「そそ。なんつったってロイドくんは俺のハニーなんだし?」
「あぁ、じゃぁお前は俺のダーリンなんだな」
「ぶっ!」
「・・・なんでそこで死ぬほど笑えるのか俺には理解できねぇ」
「だ、も!ごめん!ホントごめんなさい!でひゃひゃひゃ!」
しゃがみ込んで腹を抱えこんでひたすら笑い続ける。
笑いのせいで体が痙攣しているみたいに見えるがもう、俺は何も言うまい。
こいつはきっとこういうやつなんだ。人が前向きになろうと努力しているのにこうやってふざけて、笑って誤魔化すんだ
「―――」
誤魔化すって、何だ。
自分の思考が信じられなくなった。
何も覚えてないのに俺は今、間違いなくコイツが誤魔化しているってわかった
それが分かった途端、こいつの笑いが全部嘘に見えて仕方がなかった。
「あーもう腹いてぇ…」
「お前、無理してんだろ」
「あ?何がどこが?」
「・・・わかんねぇけど!今のお前見てるとこの辺ズキズキすんだよ」
打った部分がズキズキと痛む
コイツの笑いは嘘だ、信じるな。まるで痛みが俺にそう警告しているようだった
―――昔の俺からの警告にも聞こえた
「お前強がりだろ?それで素直じゃないだろ?」
「どしてそおう思うわけ?」
「……なんとなくだよ!なんとなく!覚えてはいないけど今のお前見てると違和感があるんだよ!」
「・・・違和感ねぇ」
笑いが止まり立ち上がる。
急に背中にゾクリと冷たいものが走った。俺は戸惑い後ずさる。
「愛してるよ、ハニー」
両肩に腕を乗せて顔を近づけてくる
瞳を覗き込むと体に緊張が走った。
怖い、というよりもこの感覚は欲情に近い
挑発的な翡翠色の瞳と、柔らかそうな唇
俺は理性を手繰り寄せて必死に応戦する―――このままだと負けた気になるのは何でだ?
「・・・俺もだよ、ダーリンとかいっとけばいいのか?」
「ぶひゃひゃひゃひゃ!」
「もうお前なんかキライだぁ!」
せっかくの応戦も無駄?に終わりまた床に転げて腹を抱えて笑い出す。
もう、ホントなんなんだよ!こいつ!
キライだとか言った割には俺は自分で思っていたほどこいつを嫌いになれてはいなかった
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