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【残念王子の取り扱い説明書 ~疲れた王子に仕事を押し付ける方法~】

 その一。疲れきった王子を笑顔で迎える。
 猫は五匹かぶるくらいがちょうど良い。

「お疲れ。ずいぶん疲れているね」
「体育が、なかなかにハードだったものでね」

 その二。自分の気持ちを殺して優しく接する。

「大丈夫か? 早く椅子に座りなよ」
「ありがとう。……今日は、ずいぶん優しいのだね」
「あはは、何を言っているんだ。僕はいつもこんな感じだろ」

 このとき勧める椅子は、背もたれがないといけない。

 その三。椅子に沈んだ王子の体を椅子に荒縄で縛り付ける。
 拘束具は王子が生徒会室に持ち込んでいる私物から拝借。手は動かせる状態にしておくことがポイント。(手まで縛ると仕事ができないよね)
 奴が自発的に抵抗することや、解くことはないので無駄に知恵を働かせる必要はない。

「――っ!」

 ただし、優しく縛るのではなく、圧迫感を与える程度にキツく縛ること。
 緩すぎると奴のモチベーションが上がらない。

 その四。やらせたい仕事を目の前に置く。そしてハッキリ宣言する。

「さて、光ヶ丘。ここにある資料、全部に目を通してハンコを押せ。今月申請分の掲示物の最終チェックだ。誤字脱字は見逃すなよ。全部終わったら解放してやる」

 できるだけ高圧的に言い切ること。日本人の心はいらない。

 その五。立ち去る。

「……この俺を椅子に縛り付けて、どこに行くのだい?」
「散歩。僕が帰って来るまでには終わらせろよ」
「放置プレイとは!」

 これで奴は嬉々として仕事をする。
 覚えておいて損はない。



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