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 その日は、少しでも、生徒会長との距離を縮めてみようとコミュニケーションを頑張って取っていた。
これは、たしか小説の話題になっていた時の話である。

「ほら、『世界の中心で、愛をさけぶ』って小説が昔はやったじゃないですか。
あのタイトルって、結局は自分たち中心に世界は廻ってるって言いたいんですかね。なんか、そこが気にくわなかったんで、読まなかったんですよね、俺」

世界の中心なんてどこにもないだろうに、そう言いたかっただけなのだが。

「そうだそうだ。俺様も気にくわなかったんだよな、そこが」

 とか、珍しく意気が合い、これなら距離も縮まるかもな、とか思っていた矢先のことであった。

「世界は誰のために廻っているかって? 俺様のために決まっているだろう! なぁ、櫻井くん、君もそう思うよな」

距離が凄く広がった瞬間である。


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