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「ていうか、会長。戦隊もの戦隊もの言ってますけど、そもそも先輩が思い描いている自分の戦隊ものに名前とかあるんですか」
「も、勿論あるに決まっているだろう。名前無くして戦隊ものを語る権利無しだぞ」

 そう言った当の本人の目は泳ぎ気味である。実際問題、考えていなかったのだろう。
 結構分かりやすい人なのかもしれない。

「へぇ。じゃぁ、何て言うんですか」
「そ、それはだな……」

 必死に名前を考えているのか、彼は生徒会室内をきょろきょろと見回している。

「……そうだ! エコ戦隊、ナビレンジャー! 略してエコナビっ!」
「明らかに今決めただろ」

 『エコナビ』と書いてある電気リモコンを握りしめて、そんなどや顔で言われてもバレバレです。


「まぁ、良いです。じゃぁ、そのエコナビが戦う敵とかって存在するんですか」

 ちょっとした疑問を聞いただけなのだが、会長は心底悲しそうな目でこっちを見てきた。

「櫻井くん! 正義の味方がそんな……。敵はいないだなんて信じていたら足下をすくわれるぞ!」
「いやいや。いないでしょう、現代においてそんなもの」
「正義いるところに悪あり。戦隊ものいるところにショッカーありだ!」

 ……ショッカーって。
 仮面ライダーじゃねぇか!


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