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「す・・・・・・・っげー!!!」
 都筑の手に乗せられ差し出されたのは、あの日、オレの肩から飛び立ち、そして返ってこなかった、アオイトリ。
「直せたんだ!!?」
「うん。待たせてしまったね」
「ううん、全然! さすが博士っ!」
「さあ、スイッチを入れてごらん」
「うん!」
 かすかな起動音。パチリと開いた真っ黒な瞳がオレを見上げて、
「ぴー」
と鳴いた。懐かしい声。思わず、泣きそうになった。
「最初に見た君を、母親だとインプットしたよ。さあ、ユキムラくん、名前を付けておやり」
「よし。お前の名前は、ブルーだぞ!」
「・・・・・・・変えてやれよ、お前」
 心底気の毒そうな顔をするんじゃねーよ、アズマ。
「いいんだよ。コイツはブルーなんだから」
 厳密に言えば、あの時オレの肩から飛び立っていったブルーとは別のモノ。でも、いいんだ。オレにとっては、同じ。空をずっとずっと旅して、今ようやく指定席に戻ってきたんだから。
「な? ブルー」
「ぴー」
 オレの肩でご機嫌に鳴くブルー。
「ほら、ブルーも良いって言ってる」
「はぁ・・」
 溜息がデカすぎんだよ、アズマ。じろっと睨むが、何処吹く風。アズマはオレを完全に無視して都筑博士に視線を遣った。
「良かったのか、おっさん」
「何がだい?」
「アンタの大事な娘の名前を、コイツにつけさせて」
「うるさい! お前がオレのネーミングセンスが悪い悪いって言うから、ず───っと考えてた名前だぞ、アレ」
「僕も、なかなか良い名前だと思うよ」
「ボス~~~~~~~っ!!!」
「お、噂をすれば、来たようだね」
 猛ダッシュで近付いてくる、金の色。ふわふわと揺れる髪から覗く白く柔らかな耳朶には、青色のピアス。くりっと大きな瞳も、髪の毛と同じ金色。唇は赤く色づいているが、何故か悔しそうに噛みしめられている。よく見れば、眉根にきゅっと皺が寄っている。
「ボスはあたしのママなの~~~~~~~~っっっ!!」
 駆け寄って来るなり、オレの肩に止まっていたブルーに宣戦布告。
 どうやら、嫉妬したらしい。
「おいおい、ペットロボットに嫉妬すんなよ」
「するもん! ママはあたしのママなんだもん!」
「ママママ言うなっ」
「ママだも~~~~~ん」
「ああああああ、はいはい」
 おざなりにでも頭を撫でてやれば、それで満足したらしく、オレを見上げてにぱっと笑う。

 鳥の鳴き声と共に、オレの前から消えていったフォーラとファータ。
 戻ってきた二人が、今は、一つ。

 その名を、愛しさを込めて呼ぶ。

「分かった分かった。オレはお前だけのママだよ。   」
 
 愛しい子。
 もう、離さない───。


『鳥が鳴くまで2』より




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