夢と交錯する───現実。
現実を交錯する───夢。
夢の中、アイツは切ない瞳で俺を見つめながら、言った。
「後悔は何一つしてないよ。ただ、一つだけ───」
そこで、目覚めが訪れる。
「・・・中途半端でやめるなよ。アホ」
淡い期待を抱き、white squareへ足を運ぶ。
奇跡を、待っている。
いつの日か、
「ふわァ、よく寝たァー」
なんて呑気に伸びをして、その氷の棺からお前が目覚める日を、待っている。
その時には、一発思い切り頭をはたかせてくれないか。
それだけでは多分腹の虫が治まらないから、胸をどつかせてくれ。そのついでに、俺には似合わないシルバーのネックレスを突き返してやる。
そして、抱きしめさせてくれ。
ずっと、冷たい氷越しにしか触れられなかったから、身体が冷えているんだ。ずっと。
あの精霊が溶けてしまいたいと望んだその温もりで、今度は俺の絶望の日々を溶かしてくれないか。
早く、目を覚ませ───
「その時に、聞いてやる」
ただ、一つだけ、お前が残したというものが、何なのか。
それが願いならば、全力で叶えてやるから、
早く、目を覚ませ───早く。
『white white snowscape2』より