拍手ありがとうございます!
これからもがんばります!



・・・時々で良いので感想頂けると嬉しいです。


○●○開業記念日前夜の東北上越みたいな○●○

「今日の予定?」
 朝食の話題としては割とありがちであろう話を恋人が切り出したのは十一月十四日の朝だった。上越新幹線は首を傾げて目を瞬かせる。
「乗務が三回と、夕方からあっちでミーティング」
 上越の言葉に向かいに座った東北新幹線は軽く眉を寄せた。
「そうか」それだけ言ってまた箸を動かす。上越もそれに倣って食事を再開して卵焼きを口に入れた。調理者の趣味でとても甘い。
「それが?」
「夜はこちらへ戻るだろう?」
 当然の様に言った東北に上越は目を瞬いた。
「いや、何か在来線たちが飲み会するからって呼ばれてて」
 上越が一度行きたいと思っていた日本酒専門店の予約を押さえたと言っていたから、行かないわけにはいかない。独りで入るには割高になるであろう事を考えたら在来線たちと一緒に行くのが一番だ。
「明日は朝からこちらで会議だぞ」
「ああでも始発で戻って来たら間に合う時間だし、飲み会抜けるのもなんだし向こうに泊まって来ちゃおうかなって思ってる…け……ど……」
 上越が途中で言い淀んだのは東北の表情を見たからだった。明らかに不機嫌な顔である。殆ど表情は変わって居なかったけれど、目が据わっている。こういう時は怒らせない方がよい事を上越は経験的に学んでいた。
「何。夜戻って来た方が良い?」首を傾げて言えば東北は黙って頷いた。随分と素直である。
「じゃあ最終でこっち戻って来ようかな」飲み会を9時過ぎに抜ければ最終のときには余裕で間に合う。そうすれば東北の要望にも適うはずだ。だが、東北の表情は一向に晴れない。
「東北?」
 上越が声をかけると何か考えこむようにしていた東北が漸く顔を上げた。上越の顔を見て「あ、いや」と首を横に振る。
「解った。なら食事はしてくるんだな」
「うん、そうなると思う」普段と変わった所の無い東北の様子に少しほっとして返す。東北も黙って頷いた。






>続きます>>>



何かコメント頂けると幸いです…!
お名前
メッセージ
あと1000文字。お名前は未記入可。