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●英西英● 好きなので <親分side> あいつはいつもきっちりしたスーツを着て、磨かれた靴を履いて、小綺麗な格好をしている。 会議のときだけじゃなくて、家に来るときもそうだ。 出迎える俺の格好は、緩んだリボンがついたシャツに、汚れてもいいズボン。動き易いから、トマトの世話をするときにちょうどいい。 つまり、いつも基本的に同じような格好をしている。 俺の格好を見ると、あいつは顔を顰めて、ちょっとは考えろよ、という。 だって便利なんだから、仕方ないじゃないか。何が問題なんだろう、と俺は思う。 「俺が何でこんな格好してると思ってんだ、あ、別に、お前の前だからとかじゃないからな!勘違いすんなよ!」 何言ってるんだこいつ、と思って、笑いが込み上げる。分かってないんはお前やろ。 「お前がいればえぇねん」 見る見るうちに真っ赤になって、アーサーは口をぱくぱくさせた。 「どしたんアーサー、トマトみたいになってんで!」 笑いながら教えてやる。うちのトマトにそっくりだ。 「うるせぇトマト野郎、何でもかんでもトマトにしやがって!お前の言うことはいちいち恥ずかしいんだ!」 「恥ずかしいんはお前の眉毛や、ゲジ眉!」 赤く染まった頬や、ペリドットの瞳を、大事だと思う。 (だって)(嘘やないもん) |
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