キャロ(ry 第30話 とある休日。それは学校の宿題を終わらせてから喫茶店の手伝いをしている時の事でした。 お昼のピークが終わってまったりとした時間が流れている店内で、杏お姉ちゃんとノゾミさんとフェイトお姉ちゃんと私の四人で軽く談笑していました。 フェイトお姉ちゃんがホールの方に出て来るの少し前まではあまり無かったけど、管理局員の方のフェイトさんに遭遇してからは仕事が落ち着いた時に出て来る様になりました。 今までそんなに出てこなかったのは忙しいのも理由にあったけれど、やっぱりあまりホールに出ると噂が広がりすぎて面倒になるかもしれないからだったみたい。今はもう本人に会っちゃってるから、そんなに気にしてないみたい。 「人気が出始めた頃は本当に休む暇もありませんでしたけど、最近は落ち着いてきましたね」 「それでもお昼時は多いけどね。軽食もあって、それも美味しいからなぁ」 「お昼時でもケーキの方が出てる気がするけど…」 「確かにケーキが昼食になっている人が多々見られましたね」 店内は従業員メンバー四人と、この時間帯によく来る常連の人達が数組だけ。とてものんびりした時間が流れています。 …流れていました。この時までは。 チリンチリーンと出入り口のベルが鳴って新しいお客さんが来た事を知らせました。 すぐに接客しようとそちらへ振り向いて…そして私達の動きは停止しました。 「へぇ…ここがそうなんだ」 「そうだよギン姉! すっごく美味しいんだよ!」 「もうちょっと落ち着きなさいよスバル…」 そこには、以前凄まじい量のケーキを食べていた青い髪の女性と一緒に来ていたオレンジ色の髪の女性。そして、青い髪の人にギン姉と呼ばれた同じ髪色の髪の毛の長い女性でした。 顔立ちも似ているから…まさか姉妹? という事は…二人とも大量に食べるんじゃあ!? 「杏、手伝って。このままだと足りなくなる可能性が高いよ」 「仕方が無いですね…」 「とりあえず注文を聞いてくるね!」 「えっと、私はケーキ在庫の確認をします!」 突然店員だけが忙しく動き始めた店内に常連のお客さんが不思議そうにしていましたが、今来たお客さんの事を知っていた人は納得した様な表情を浮かべていました。一度しか来ていなかったのに認知されてるんですか…余程インパクトがあったんですね。 ともかく在庫を確認です。えーと…ああシュークリームが少し少ないかもしれない。ショートケーキは普段なら十分あるかもしれないけど、前回はこれくらいの量は食べてしまってるから…ああモンブランは確実に足りない! とりあえず最優先で作ってもらって… 「あ、軽食もやってるのね」 「そうなんだ、前はケーキばかり食べてたから気付かなかったなー」 「元々食事に来た訳じゃなかったからね」 軽食…! ケーキと同時になったら二人が凄く大変なんじゃあ…!? 「でももうご飯は食べちゃったし、今日はケーキよね」 「そうだねー」 セーフ…!! とりあえずピーク過ぎとはいえまだある程度の量はあるからすぐに食べ尽くされる事は無いはず。 さあ、いくらでも注文してください…! 「このショートケーキ美味しい…」 「こっちのミルクレープも美味しいよ!」 「んー!モンブランも美味しいわね!」 「うぅ~、このガトーショコラ美味しいよ。ティアも食べる?」 「いや、私はいいわ…見てるだけで」 …という声を聞きながらホールで仕事を手伝い続けて約1時間。 「えっと…お会計32340円になります」 食べ過ぎだよ!? 「あはは…凄く美味しかったからつい食べ過ぎちゃったわね」 「でも本当に美味しかったでしょ?」 「そうねぇ、また来たいわね」 ま、また来るんですか…? いえ、売り上げとしては喜ばしいんでしょうけど…と、とりあえず。 「ありがとうございましたー!」 疲れたぁ…今度来る時はまた増えてたりしないよね…? エリオ「呼ばれた気がする…!!」 |
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