こんなとこにいたんだぁ、と声をかけられ酷く驚いてしまった。

辺り一面はもう焼け野が原でそこかしこに死体が転がっている。







半年前に突如勃発した戦争は激化の一途を辿り、

NRCもその戦火に脅かされるようになっていた。

幾つかの街は焼け落ちてしまい、戻る場所がなくなってしまった生徒も少なくない。







ここは最後の砦として何としても死守せねばならぬと、

教師陣や優秀な寮長達が学園を守る為に防衛魔法を強化し、

結界を張りに発ったのが三時間程前の出来事で、

敵はその隙を狙って攻撃をしかけてきた。

まさに不意打ちというやつだ。







数m先にいた生徒が消し炭になった瞬間、

反射的に身体が動き戦いの渦に巻き込まれていた。







何故こんな事になってしまったのか。

奴らは前触れもなくこの世界へ現れ、

一方的にこちらを駆逐すべく攻撃をしかけてくる。

はっきりとした理由は分かっていない。







死にたくない一心でマジカルペンを振り、確実に急所を仕留める傍ら、

命を奪えず息絶えてゆく同級生を目の当たりにする。

何故。これは、私が間違っているのだろうか。

何故私はこうも容易く命を奪える。

お前は、何故奪えない?







序盤、圧倒的に劣勢だったNRC側も、

すぐに状況を察した寮長勢が二手に分かれ事なきを得た。

自寮の生徒達の骸を見た寮長達の怒りは凄まじく、

空が裂けてしまうのではないか、そう思えた。







「へぇ、ちゃ~んと戦えたんだぁ」







偉いね、とフロイドは言った。

偉くなど、私は偉くも何ともない。

只、死にたくない一心で抗っただけだ。





もう駄目だと思った時に姿を見せたフロイドやレオナのように誰かを守る事も出来ず、

彼らの姿に安堵した瞬間、足の震えが止まらなくなった。







「わ、どしたの」

「…」

「どっか怪我でもした?」







初めて命を奪ったのだと、震える声で呟く彼女に、

ああ、そういう事かぁ、と笑ったフロイドはポンポンと頭を撫で

大丈夫だよと抱き締める。





てっきり死んじゃったんじゃないかって思ってたからよかったぁ、

駄目だよ俺を置いて死んじゃったら。

誰を殺しても生きててくれないと。





俺が許せなくなっちゃうからと笑うフロイドの背後、

血相を変えて飛んでくる寮長が見える。





ああ、きっと。マレウスも同じ事を言うのだろう。









戦場のメトロノーム











拍手、ありがとうございました!

第百三十四弾はツイステよりフロイドでした!

ハリーポッターの後半みたいな世界観だと思って頂ければ…

主人公は人間でありディアソムニアの生徒、

戦争をしかけてきたのはヒーロー側です



2020/6/22



ついでに一言あればどうぞ(拍手だけでも送れます)

あと1000文字。