「どうかしたのか…?」
いつもは元気すぎるぐらいの香穂子が、練習室の隅でシュンとうなだれている。
さすがに様子が変なので、俺は手を止めて彼女の機嫌を窺う
「れんく〜〜んっ…どうしようっ;;;」
彼女の大きな瞳には涙が溜められていて
今にもこぼれそうだった
「とにかく落ち着いて話してくれ…
それでは俺にはわからない」
未だに落ち着かない香穂子の話の点を線で結ぶとやっと話が見えてきた
どうやら香穂子は友達から誕生日にもらったオルゴールを壊してしまったらしい
「そんなことか…」
溜息交じりに言う俺を香穂子が睨みつける
「そんなことって!蓮くんにはわからないよっ!」
涙で濡れた瞳に頬をぷくっと膨らませる仕草がとてもかわいらしくて
不意に押し寄せる抱きしめたくなる衝動を抑えた…
「俺が言いたいのはそういうことじゃない…
オルゴールぐらい直すのは何でもないということだ」
香穂子の目がキラキラと輝く
「ホントに!?蓮くんすごい〜」
「い…いや…別に……///」
彼女に尊敬の眼差しで見られるのは…とても照れくさい
俺はその日、オルゴールを預かることにした
あぁ言ってみたものの…
ドイツの修理工場にでも出すべきだろうか…
しかし…それではすぐにというわけにはいかない
一体…これはどうやって中にいれたのだろうか…
な…謎だ…
とりあえずお手伝いさんから工具を借りてみた…
ここを開けるのだろうか…
いや…違ったようだ…
この音の反響感覚からいうと四分の三のペースで音が乱れている計算になるわけだから…
ピュン
中からネジが飛んで行った
……………
「蓮くん、おはよう♪」
今にもオルゴールは?と言いたそうな顔の香穂子に会う
「その……言いにくいのだが…」
俺は、俺の所為でさらに壊れてしまったオルゴールを見せた
「君の大切なもの…俺の手でどうにかしたかったが…
本当にすまない…余計に君を悲しませることになってしまった…」
こういう時、土浦なら器用にできるんだろうか…
とか見えないライバルに対して劣等感を抱いてしまう
「ありがとう」
香穂子の口から出たのは思いがけない言葉だった
「悩みながら一生懸命直してくれようとしたんでしょ?
蓮くんの前髪、ちょっと癖がついてるもん」
ふふっとほほ笑む香穂子
あまりに難解で頭を抱えていたからか…また…何とも…///
俺は何となく居心地が悪くなってきた
「ゴミついてる」
「えっ?///」
ただでさえ直せなくて俺のメンツは丸つぶれなのに…
「っ///」
「お礼…頑張ってくれた…///」
俺は香穂子の唇が触れた自分のそれを触ってみる
すごく熱くて…
君にはやはり敵わない…
「香穂子…直せなかった代わりに…俺がその曲を何度でも奏でる
君だけのために…」
頬を染めた香穂子が振り返って、ふわっとほほ笑んだ
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<あとがき>
最近、更新が停滞気味で申し訳ないです(><)
こうして拍手してくださるお姫様のために魚月、
もっと頑張りまする〜〜〜〜vv(管理人・桜藤 魚月より)
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