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◇堀宮/*性転換ネタ/捏造しかない/吉川♂×石川♀(、名前しか出ない堀♂井浦♀)/石川♀の名前は「透子(とうこ)」


 男のくせに袖をダボダボさせやがって!が第一印象だった。第二、彼を知れば知るほど、面倒臭い奴だと知った。自分が嫌だと思ったことは一目散にそれから逃げること。何度私が「駄目でしょ!」って怒鳴っても無駄だった。彼はいつも前向きで、自分の進みたい方向へすぐ向ける行動力がある。と、私は思っている。
 吉川は好き。に、分類されるはずだ。嫌いじゃないから。でも堀くんを好きだったあの気持ちとは、また少し違った感情を持っている。月並みの言葉かもしれないけれど、「友達以上恋人未満」がしっくりくる。放課後に色んなところへ寄ったり吉川が私の部屋に来たりということも多いけど、別に何をするわけでもない。でも友達、というわけでもないような気がする。そう思ってるのは本当は私だけで、吉川はちっとも気にしていないのかもしれないけれど。

「とーこー!」
「なに!吉川うるさい!」
「井浦よりマシだろ!なあなあ今日セガサターンやりにいっていい?」
「……いいけど」

 こいつは私の渦巻く気持ちも知らずゲームゲームと!と強く思った。普通女の子の部屋に入るってんのに、何かあるんじゃないの?とも思った。まあ、何かあったら次の日とか気まずくてどうしようもないけれど。
 しかし私のそんな悩みも知らず、吉川は随分と嬉しそうだ。久しぶりにゲームができることがそんなに嬉しいんだろうか。じゃあ、もしセガサターンがある家なら、私じゃなくても誰でもいいの?そんなことを思ってしまう。
 外は寒かった。もう春というのに、風は冷たい。突然肩がひゅんと上がったのを、彼は見逃さない。

「透子寒いの?そこで俺の必殺武器登場ー」
「殺してどーすんのよ……」
「ほれ」

 吉川はそう言って、私の手をダルダルの袖で包み込んだ。兄から譲り受けたらしいそのセーターはあまりにも袖の部分が伸びきっていてだらしない。その袖の中に吉川の手と、私の手。あったかいなあ、って言ったら吉川もあったかいな!って笑った。きっと恋人にはならないけれど、恋人になるとしたら、こういうところを好きになったんだろう。私は伸びきった袖の中の手を強く握りしめた。彼はゲームのことに夢中で、気付かなかったみたいだけど。


clasp
(早く行こうと急かす君の手を握りしめる)





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石川♀の名前は透子でいいんじゃないかな!とーこ!
石川んちにあったのがセガサターンだったか覚えてないからそこら辺はもう適当で笑




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