「気持ち悪いんだよ」







#9 お稲荷さまとはじめての・・・



それは雲1つない、快晴の春の穏やかな陽気の日のことでした。
私とお稲荷さま、それと中嶌くんの3人は、学園から程遠い有名なお花見のスポットと言われている公園に来ていました。勿論目的はお花見です。
家族以外の誰かとお花見に行ったことのない僕は、3人でお花見できたことがとても嬉しかったのですが、お稲荷さまは終始ご機嫌斜めでした。

「ここは普通遠慮するところでしょ」

「折角蓮川にお呼ばれしたから、来ない訳には行かないだろ?あ、これ、差し入れの飲み物な」

「ありがとう御座います、中嶌くん!」

お花見と言えば、たくさんの出店が立ち並びますが私たちはそれぞれ食べ物や飲み物を持ち寄ることにしました。と言うのもお稲荷さまが桜の下で私のお弁当が食べたいと言い出したからです。そのことから、私が食べ物担当となり、中嶌くんは飲み物担当ということになりました。お稲荷さま?お稲荷さまは場所取り担当です。

「それにしても見事な桜ですね・・・」

お稲荷さまのおかげで絶景スポットにシートを敷くことができました。おまけに穴場のようで、私たち3人の他には誰もいません。誰も他に人がいないからか、先程からずっとお稲荷さまが私に引っ付いてきます。誰もいないと言っても、中嶌くんがいるのだから少しは謹んでほしいのですが・・・。

「とりあえず乾杯しようぜ。お腹へっちまった」

そう言うと中嶌くんは持ってきた飲み物から缶ジュースを手渡してくれました。
あまり見かけないパッケージの飲み物です。というより、明らかに国産ではなく、どこかの外国語がそこには書かれていました。英語であれば読めますが、英語ではない言語は一体何と書いているか想像も付きませんでした。ただ、パッケージにトロピカルフルーツのイラストが書かれていることからも、これがフルーツジュースだということが分かりました。

「かんぱーい! 」

景気の良い音とともに缶を開け、中嶌くんはゴクゴクと飲み出しました。
私も倣って口に缶の縁を付けると、変わった匂いが鼻腔を刺激しました。
日本のジュースからは香らないような匂いでしたが、外国産特有の香りなのでしょうか。あまり良い匂いではありませんでしたがお稲荷さまも中嶌くんも気にした様子がなく凄い勢いで飲んでいます。私一人が取り残された形に、私は慌ててそれに口を付けたのでした。




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