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The Day After

 

足元を流れる水のイメージ。
咲き乱れる鮮やかな色彩の花達の姿を、
それは鏡のように映し出している。

澄んだ水だった。

水と同じような清涼な空気の中、
刹那はたたずんでいた。

深い赤を湛えた茶色の瞳が、視線を空に向ける。

「なに見てる?刹那」

後からロックオンが抱きしめてきた。

温かく力強い、その腕の感触を確かめるよう、
まわされた腕に指を這わせる。

「ガンダムか?」

ちらり、と視線をよこしたものの、
またもとのように視線を戻した刹那に、笑いながら訊ねる。

見つめる先には、朽ちた装甲の一面に、
花や植物を絡みつかせたガンダムの姿があった。

「いや…」

刹那の目はもっと遠くにあった。

そこには、漆黒の宇宙に浮かぶ青い惑星がある。
宝石のように宇宙に美しく輝くその星は
「地球」と呼ばれていた。

刹那は優しい瞳で、その輝きを見つめていた。

ロックオンが不意に顎をとり、刹那の顔を自分に向けさせた。

「少し妬けるね、お前にそんな目で見てもらえるなんて」

ロックオンはそう言うと、刹那の唇にそっと己のそれを重ねた。
刹那の片手があがり、ロックオンの頭を引寄せる。

口付けは更に、深いものにかわった。

「ふ…っ…」

刹那の吐息を合図に、二人の唇が離れた。

「ロックオン…」

「なんだ…?」

そのまま首筋に顔を埋めて、
肌にキスを落すロックオンに呼びかける。

「こういう行為は、あまり意味のないものだと、この前言われた」

「俺たちの体はもう、精神の力でコントロールできるから…か?」

刹那の首筋から顔を上げたロックオンは、翡翠の瞳を向けて訊ねた。
刹那がこくり、と頷く。

「刹那、お前は?これが意味のないものだと思うか?」

「いや…」

思ってもいなかった返答に、ロックオンは目を瞠った。

「これが、一番お前を感じられる」

刹那は体を、ロックオンに押付けた。

「…俺もだ、刹那」

ロックオンは刹那の背を抱きながら、
体を横たえようとして気がついた。

「どうした?ロックオン」

「水の上じゃな」

溺れる心配はなくても、感覚が分散される。
ロックオンは苦笑した。

「場所をかえよう」

ロックオンはそう言うと、刹那の手を握って引っ張っていく。

「ああ…」

その強さに微笑みながら、
刹那はロックオンに引かれるまま、後に続いた。




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