ヽ(゚ゥ゚*)ノ@ 拍手ありがとうございます、ささやかですがお礼の小話をどうぞ。 *** 俺達の生は、どうやら呪われているらしい。 ミサからの帰り道、橋の上にいた友に神父の話を伝えると、彼女は声を上げて笑った。 「呪われているというなら、神父の方が余程呪われているのに。 こんな田舎に飛ばされてきて、ね」 彼女とて、あの偉そうな神父に言わせてみれば『呪われた生物』である。 あるのだが、こうして釣り糸を垂らしている姿は、とても呪われているようには見えない。 彼女は獣である。満月の夜に狼になる。 そして俺は、月に一度生き物の血を飲み、流れ水と日光が少々苦手で、銀に触れると痛い。 心臓に杭打たれれば死ぬが、それは誰でもそうだろう。 それだけの生き物である。 釣り糸はゆっくりと揺れている。 釣れるかどうか尋ねると彼女は、当たり前のように答える。 「釣れないよ。魚を釣るには、釣り餌が必要だもの」 顔をしかめると、彼女はくすくすと笑った。 「餌を持ってきてくれたら、美味い魚を御馳走するよ」 魅力的な提案だが、甘やかすのも癪だ。 自分で取ってこい。そう言うと彼女は、 「汝隣人を愛せよ、奉仕せよって、神は言ってるのに」 いけしゃあしゃあと、そんな事を呟くのだった。 5/5 「呪われた生に祝福を」 |
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