ありがとうございました(*´ω`*)ノ


独白 1

 竜馬さんが目の前のテーブルで、何人かのメカニックと馬鹿話に興じている。

 それは見慣れた光景。
 よくある朝の風景。

 俺は最後の飯を海苔で包んで口に運び、自分もその中に入ろうかどうしようか考えていた。
 いつもなら直ぐそうする。だけど今日は何となく気が進まない。竜馬さんを観察したいから。

 だって信じられるか? この人が恋をしたとか。

 両手を振り上げ明るく笑う。子供みたいな無邪気な表情、その行動。
 後先考えないような、この人の子供っぽさが俺は好きだ。
 だのに変わってしまうんだろうか? この人でも好きな人を守るため、計算の働く大人になってしまうのか?

 メカニック達が席を外した。

“ねえねえ竜馬さん、あなたの好きな人を俺も好き、欲しい、って言ったら、どうします?”

 竜馬さんがキョトンと俺を見る。
 しばらく見つめて首を傾げ、眉をしかめた。

 そうか、それは困るなあ、そう言って立ち上がった。
 俺にはやれねぇけど、取れるんなら取れ。

 そして、また笑う。
 さっきより、ずっと落ち着いていて、トゲが無くて、縁側の陽射しのように暖かい。
 ああ竜馬さん、同情ならよして下さい。冗談、冗談なんだから・・・

 本当はわかってる。この人は実は、俺が思ってるよりずっと大人で―――

 歩み去る背中を見ながら寂しさを覚えた。
 大好きなのは、あの人の子供っぽさ。
 子供のように降り撒かれる、無邪気で強い優しさ。


 ねえ竜馬さん、誰か一人だけに、それを与えないでほしいんです。


 そんな事を思う。

 変ですかねえ、俺?
 
 
 
 
ただいま絵・六つ、文・二つ、
相変わらずのランダムですいません(´・ω・`)



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