拍手ありがとうございます。これからもがんばります!
よろしかったらお礼代わりのSSをどうぞ。
お礼はショートショート2種+連載予告3種がランダムで表示されます。
ずっと一緒にいられるようにと願わずにはいられなかった。
夏が始まりを告げたある日。焦げ付くような太陽の日差しさえも気にならないくらい、俺は必死になって自転車を漕いでいた。
自転車の後ろに生まれて初めてできた彼女を乗せて、一心不乱に海岸沿いを走る。
俺の体に絡みつく細い腕が振り落とされないように注意しながら、風を切って走った。
「わー。綺麗」
彼女がそう言って笑う。ようやく到着した海岸に降り立つと、彼女は波打ち際まで走って行った。
俺は何でもないフリをしながら、呼吸を整える。調子に乗りすぎて、スピードを出したために、体力をかなり消耗したのだ。
だけどそんな格好悪い姿、彼女に見せられるはずがない。
彼女がこちらに背を向けて、波と戯れている間、俺は呼吸を落ち着かせ、ゆっくりと彼女に近づく。
太陽の光が反射して、キラキラと輝く水面に、彼女は白い素足を付けた。
いつの間にかサンダルを脱いで、裸足になっている彼女に、俺の心臓が暴れだす。
彼女の無邪気な笑顔。白いワンピース、白い肌。全てがなぜだかいつもより大人っぽく見えて、何故だか少し遠くに感じた。
俺は思わず、彼女の腕を引いて、後ろから抱き締めた。
「大?」
彼女は不思議そうに俺の名前を呼ぶ。
「どうしたの?」
「何か、急に抱きしめたくなった」
そう言うと、彼女は笑った。
「何それ。あたしはどこにも行かないよ?」
彼女の首に回した腕に、彼女の細い指が絡まる。さっきまで波と戯れていた彼女の指は、ひんやりとしていて、熱を持った俺の体を癒してくれた。
彼女を乗せて再び海岸沿いを走る。
この先、きっといろんなことがあるだろう。だけど、いつまでも彼女とずっと一緒にいたいと願う。
子供じみた夢だと笑われても、俺は絶対に、彼女を離したくないんだ。
青い空に願った。
この先もずっと、彼女と一緒にいられますように。
――自転車
夏が始まりを告げたある日。焦げ付くような太陽の日差しさえも気にならないくらい、俺は必死になって自転車を漕いでいた。
自転車の後ろに生まれて初めてできた彼女を乗せて、一心不乱に海岸沿いを走る。
俺の体に絡みつく細い腕が振り落とされないように注意しながら、風を切って走った。
「わー。綺麗」
彼女がそう言って笑う。ようやく到着した海岸に降り立つと、彼女は波打ち際まで走って行った。
俺は何でもないフリをしながら、呼吸を整える。調子に乗りすぎて、スピードを出したために、体力をかなり消耗したのだ。
だけどそんな格好悪い姿、彼女に見せられるはずがない。
彼女がこちらに背を向けて、波と戯れている間、俺は呼吸を落ち着かせ、ゆっくりと彼女に近づく。
太陽の光が反射して、キラキラと輝く水面に、彼女は白い素足を付けた。
いつの間にかサンダルを脱いで、裸足になっている彼女に、俺の心臓が暴れだす。
彼女の無邪気な笑顔。白いワンピース、白い肌。全てがなぜだかいつもより大人っぽく見えて、何故だか少し遠くに感じた。
俺は思わず、彼女の腕を引いて、後ろから抱き締めた。
「大?」
彼女は不思議そうに俺の名前を呼ぶ。
「どうしたの?」
「何か、急に抱きしめたくなった」
そう言うと、彼女は笑った。
「何それ。あたしはどこにも行かないよ?」
彼女の首に回した腕に、彼女の細い指が絡まる。さっきまで波と戯れていた彼女の指は、ひんやりとしていて、熱を持った俺の体を癒してくれた。
彼女を乗せて再び海岸沿いを走る。
この先、きっといろんなことがあるだろう。だけど、いつまでも彼女とずっと一緒にいたいと願う。
子供じみた夢だと笑われても、俺は絶対に、彼女を離したくないんだ。
青い空に願った。
この先もずっと、彼女と一緒にいられますように。
設定の元ネタは自作詩【自転車】より。詩は【little circus】にて公開中です。
約4年前に書いた詩なので詩は何かおかしいですけどね・・・。
約4年前に書いた詩なので詩は何かおかしいですけどね・・・。