拍手ありがとうございました!*^^* o( _ _ )o 

ささやかな御礼のお話です♪^^ まずは1つ目を。。(2画面分割となりました・汗o( _ _ ;)o)
一応『錦秋光』後の二人のお話ですが、剣路は・・まだ、居ない設定となってます^^;
自分的課題だった『短くまとめる』ってのは、ちと守れず××。少々長いです☆(5P分位)――――次こそはっ!!><。。



拍手御礼小説(その1) 『春の風 1/2』 




見上げる・・澄んだ青空に
薄紅色の風が、遠く・・吹き抜けて行く―――――――――





薫と歩く、桜並木のこの道は
夢の世界の様に、儚気な・・優しい色に満ちていて

瞳を輝かせて眺める、自分の頬も
同じ色に染まっているのだと

薫は・・きっと、気付いていない。

「どうしたの?剣心」

「・・いや、キレイでござるな」

ふと向けられた、薫の
きょとんとした藍の瞳に・・思わずうろたえ

そんな薫から、瞳を逸らせた俺は
誤魔化す様にそう言った。

桜に魅入る君に・・見惚れていた、なんて
とても言えず////

「ほんと!キレイねー!(嬉」

正に春爛漫!今の季節が一番好きだわ、私!

そう続け、弾ける様に笑う薫が―――――――
俺には、とても・・眩しくて

つられて微笑んだ俺に、薫が・・照れ臭そうに
小さく言った。

「剣心、あの・・」

「薫殿」

そんなカオを見ただけで、もう・・判ってしまう。
薫の、ささやかな望みが。

名を呼びながら、手を差し出した俺に
一瞬、瞳を見開いた薫は・・嬉し気に微笑んで

「―――――判っちゃった?////」

と、また・・その頬を、淡く染める。

「・・はは」

頷いた俺の手を、ぎゅっと握った薫は
繋いだ腕に寄り添い、ふふと笑った。

「どうしたのでござるか?」

「うん・・あのね」

少し、躊躇う様な仕草をみせた薫が
ちらりと、此方を見て言った台詞に

俺の肩は、また・・ガックリ落ちる。

「剣心って、桜が似合うなって思って」

すごく――――――き・・

「―――薫殿」

落胆した俺は、思わず強目に、薫の言葉を遮った。
知らず、溜息が洩れる・・

薫は一体、この俺を、何だと思っているのか。
たまにでも、こういうコトを言うのは

やはり・・昔から言われ続けた
男らしさには程遠い、この――――カオのせいか。

どうせ、拙者は女顔。
これのせいで、昔からよく舐められ、随分不愉快な思いをした。

まあ・・そんな奴らを、只で済ませてやったコトなど
一度も無いが。

にしても、迷惑な話で。

こんな風に生まれ付いたのは
俺のせいなどでは、ないと・・いうのに。

「やだ、拗ねちゃった?」

笑いを含んだその声に
俺は、知らず・・己が、そんなカオをしていたのだと知り

思わず、頬を緩める。

「・・別に。まあ、昔から言われ続けたコト故、今更気にもならない・・筈で、ござったが」

「なら、いいじゃない!だって剣心って、本当に、すごく・・」

――――――まだ言うか。

「薫殿に!そう言われるのは・・やはり拙者、気に・・なるでござるよ」

「え?何で?」

小さく睨んで・・俺は、そう言ってみる。
思った通り、薫は心外そうに、その瞳を丸くしている。

「それは男にとって、落胆以外の、何物でもない台詞・・で、ござろう?」

それも、好いた女子から、そう言われては・・

溜息と共に、思わず出た本音に
ふと気付くと・・薫が、驚いた様に瞳を見開き

真っ赤な顔で、俺を見ている。

――――――ああ、つい。

だがこれも、正直な気持ち・・何も、恥じるコトはない。
俺は、そんな薫が可愛くて・・ふと笑う。

何かに驚いた様に、そんな俺から瞳を逸らした薫は

「そそそうなんだ!私、何度も言っちゃった!ご・・ごめんね!剣心!(真っ赤!」

どもりながらそう言うと・・恥ずかし気に俯いた。

・・ダメだ薫。そんなカオ・・

俺は、唐突に・・抱きしめたい衝動に駆られ
繋いだ手を離すと、意外な顔を向ける・・薫の

その肩を、徐に・・抱いた。

人通りの多いこの道の
両脇には、多くの花見客らも陣取っている

そんな場所では
これが・・精一杯で――――――

ふと、舞い散る桜に
小さな・・白い花びらを見付け、瞳を瞠る。

「剣心・・?////」

「ああ・・桜に、雪が・・舞い落ちた様に見えて」

怪訝な顔の薫が、俺の視線を追い・・その瞳を、嬉し気に細める。

「あれは、小手毬ね。桜より低いから、あまり目立たないけど・・キレイで、可愛いお花だわ」

小手毬って、咲く時期が、桜と同じ・・だったのね。

桜並木の途切れた、植え込みの一角に
名前の通り、沢山の丸い・・小さな、白い花達が

桜みたいに豪勢ではないが、それでも・・今を盛りと、見事に咲き綻んでいた。
春の風に揺れるそれは・・淡い、小さな花弁を震わせ

散る様が、どこか――――――
儚い人の、優しい面影を

この胸に・・思い起させる・・

「ほんと。花弁が、雪みたいに見えるわね―――きゃっ!」

気紛れな、強い春風が世界を揺らし
薄紅色に、小さな・・白い花弁をも抱き込んで

また、高い空へと消えて行く―――――――

薫が、突然の風に乱れた髪を、手で押さえている。

隙間から流れる黒髪に
幾つかの花弁が纏い付き・・

俺は、薫の髪から拾った花弁を、手の平に乗せ
微かに揺れる・・白と、薄紅色のそれを

薫の前に差し出した。

「あ・・ありがと。剣心。今の、すごい風だったわね」

「ああ。春風は気紛れ故・・たまに、こんな悪戯もする」

「ふふ。春が来たってコト、よね?」

微笑んでそう言った薫は、そのままふぅと
花弁を吹いた。

微かな風に乗ったそれは、ひらひらと舞い
再び、春の世界へと還って行く・・

「ねえ剣心、小手毬・・」

「え」

「小手毬ね、ウチの庭に・・植えようか?」

「? 何故急に?」

唐突な言葉に、俺は、そう問い返した。

「だって、剣心・・」

薫は、ふと瞳を逸らし
風に揺れる、可憐な白い花達を見つめる。

「あのお花、すごく・・好きそうに、見えたから」

「・・!」

俺の為・・に?

「ああいや、別に・・そういう訳じゃ」

「そう?」

答えた薫の微笑みが、どこか・・儚気に見えた俺は
漸く、気が付いた――――――

薫には・・きっと、判ったのだ。
今、俺が・・思ったコトが。

「巴を・・」

「え?」

薫の瞳が、微かに細まる。

「風に散る、白い・・あの花弁は、まるで雪の様に見えて・・今拙者、巴を・・思い出したでござるよ」

「そう・・なんだ」

小手毬を見つめたまま・・薫は
微かに微笑んで、そう言った。

「いつも・・」

俺も・・薫と同じに
風に揺れる、可憐なその花に、瞳を移す。

「巴を思い出すのは、冷たい・・真白い雪にばかり、だったのに」

薫が、俺を見たのが判った・・が
俺は何故か、揺れる白から・・瞳が離せない。

「この・・暖かな春の季節に、こんな風に・・巴を、思い出したのは」

考えてみれば・・初めてで、ござるよ――――――

そう言う俺を、じっと見つめていた薫は
にっこり微笑んで、明るく言った。

「よかったね、剣心・・巴さんも!」

弾ける様な明るい声に、思わず見た薫は
優しく澄んだ・・春の陽射しの様な、暖かな笑みを浮かべ

にこにこと・・俺を、見つめていた―――――――

「―――――薫殿」

「寒い季節にしか、思い出してもらえないなんて・・私が巴さんでも、きっと、寂しいもの」

「・・!」

思ってもいなかったコトを、さらりと言った薫に
俺は・・驚きを、隠せず・・

そう・・だったのか?巴・・

「やっぱりね・・なんか今、剣心のカオ見たら、なんとなく・・そうなんじゃないかなって思って。私って、凄い?」

「・・ああ、凄いでござるな」

色んな意味で、そう思う。
俺は、素直に頷いた。

「でもね・・」

また、小手毬に瞳を移した薫は
微かに首を傾げ・・瞳を伏せると、小さく言った。

「今剣心が、小手毬植えるって言わなくて・・ちょっと、ほっとした」

「・・・・・・・・・」

俺は、そんな薫に・・微かな痛みを感じ
瞳を細める。

薫の微笑みは・・どこか儚気で
俺は、俺のこういう所が、薫を悲しませているのだと・・

そんな薫に、改めて・・気付かされる。

「だって、なんか・・妬いちゃいそうなんだもの!自分から言い出したのに・・ごめんね、剣心!」

「・・! 薫殿!」

照れた様に笑い、そう言って・・徐に駆け出した薫は
小手毬の傍で足を止め、揺れる一枝を手にした。

「薫殿、拙者は・・」

「私ね」

追い付いた俺に、小手毬を見つめたまま・・薫は
呟く様に、話し始める。

「巴さんには、とても感謝してるの。だって今、こんな風に・・剣心が、剣心でいてくれるのは」

あの頃、巴さんが・・剣心を、支えてくれたから――――――

「拙者も、巴には・・感謝しきれない程、感謝・・しているでござるよ」

言いながら、俺は
薫が手にした枝を、その手から・・そっと外す。

「すまぬ。巴の話しは・・薫殿には、するべきではなかったでござるな・・」

「ううん!」

薫は、思い掛けない強さで
その首を横に振った。

「そんなコトない!話してくれて・・嬉しかったわ、剣心」

「薫殿・・」

「私ね、剣心が一番辛い時・・当たり前だけど、傍に居てあげられなかったから・・巴さんが羨ましいって、そう・・思った時もあったの」

「・・!」

薫・・何を

「でもね、今私は、剣心と一緒に居られて・・これからも、一緒に生きて行ける・・そんな私は」

巴さんから見たら・・きっと、ものすごく羨ましいのかも・・って、そう思ったら

「薫殿・・」

いきなり、驚く様な事を言い出した薫を
俺はただ、言葉なく・・見つめる事しかできない。

「なんか、こんな可愛いお花に妬いてる私って、どうよ?って、思ったり」

へへと笑った薫は、俺の手を取り・・ぎゅっと握った。

「だからね、剣心・・今、剣心の傍にいるのは私、だから・・」

薫は、藍の瞳に、俺を映し・・
真っ直ぐな・・真摯な想いを、告げてくれる。

「剣心の、悲しいコトや辛いコト・・何でもいいの。一人で抱え込まないで、私にも・・一緒に、背負わせて――――――――」

私も、巴さんの様に
剣心を、支えたい・・の――――――

「・・充分―――――――」

俺は、胸が一杯で・・
それだけ言って、言葉を切った。

続け・・られなかった・・

薫に握られた手が――――――熱い・・
その心が・・想いが

この胸に、深く沁みて・・

「充分で・・ござるよ、薫殿」

漸く紡いだ言葉は・・しかし
薫に、にべもなく跳ね返される。

「どこが?私なんか、まだまだ剣心の力になれてない気がするわ。こんな風にヘンな嫉妬しちゃうし、お料理だって下手だし・・えっ?!」

自分の欠点を、指折り数え始めた薫の手を取り
駆け込む様に、小手毬の裏へとまわる。

たわわという表現が似合いそうな、小手毬達の中で
驚く薫を抱き、強く・・口付ける――――――――





春の・・気紛れな風は
不思議と、この時ばかりは、凪いでいてくれて・・

さわさわと、優しい風が
白い花達を揺らし

花陰の俺達を
人々の目から、隠してくれる――――――――





「剣心・・?なんで、急に・・////」

頬を染め、喘ぐ様にそう言った薫に
俺は、また瞳を細め・・

再び、その唇を求める――――――





もどかしい・・
こんな形でしか、気持ちを伝えられない・・己が。

俺には、過ぎる言葉をくれた薫に
既に、言い尽せない程・・支えられているのだと

どう伝えれば、判ってもらえるのか・・

巴と同じ位・・
それ以上に、感謝していると

それ以上に
ずっと・・愛しい・・の、だと

薫に・・どう、伝えれば―――――――



小手毬の花弁が、雪の様に・・薫を飾る。



この・・腕に抱く温もりは
今を生きる、大切な・・確かな命。

他の、何ものにも、替え難い・・
己などより、ずっと

ずっと・・大切な―――――薫

君を、悲しませない為に
俺は・・どうすればいいのか。





己が生きて来た軌跡は
誰もがそうである様に・・決して、変えようが無いもの。

変えられるものならと
どれだけ・・血を吐く程に願っても

それは・・決して、変えられぬ・・

そんな俺の過去に
君が、悲しまない様に・・するには・・




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