「なぁなぁー」
「ん?なぁに、ブン太」
「お前の、依存してるもんって何?」
「ヘ・・・?依存してるもの?」
「そ」
突発的にそう聞くと、うーん、と考え始めるお前。
俺的には、そこで即答して欲しいんだけどなぁ・・。
コイツにそれは、望んじゃいけないみたいだ。
暫くの間、俺との間に唸り声だけが響いた。
ココまで悩まれると、俺もちょっとイライラしてくんだけど・・・
「あたしの依存してるもの・・・は・・・」
「依存してるものは・・・?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・携帯?」
「・・・・・・・・・・・・は?」
「だって携帯触れないとイライラするし・・・」
あーあ。コイツに聞いた俺が馬鹿だった。
暫く悩んでたから結構期待してたのに、
やっと出た言葉が「携帯」かよ・・・。
・・・ったく。ココまで来ると可愛いんだかなんなんだか。
「そういうブン太は、何に依存してんの?」
素直にコイツに答えてやんのは正直癪に障る。
・・・けど、やっぱ本当に依存してるわけだし?
答えてやるか。そう思って、一瞬含み笑いをお前に見せてから、
なるべく平常を装ってポツリ、と呟いた。
「・・・・・・・・・・・・・・菓子」
「・・・・・・・」
「じゃなくて・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・お前」
チラ、とお前の表情を伺うように顔を見ると、真っ赤に上気してた。
そんな予想通りのお前の表情がなんだか嬉しくて。
さっきよりも、お前に依存したみたい。
「じゃ、俺部活行くわー」
そう言ってその場を後にしようとドアノブに手を掛けたとき。
「あたしっ・・・!あたしも、ブン太に依存してるからっ・・・!」
「・・・・・・携帯よりも?」
「うんっ・・・!絶対携帯よりブン太に依存してるっ・・・!」
お前のその一言で、俺の顔は綻び、そして心が・・・
温かくなる。
お前が居ないなんて考えられない。
だから―――
「覚悟しろよ?」
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