「姫様、今日も星空がキレイですね」
「ええ、そうねエイト」
夜の城は神秘的だった。
月明かりに照らされて、城の人々は歌を唄う吟遊詩人や、明日の支度をしている庭師など様々だ。
私はというと、近衛兵であるエイトとテラスに出て星空を眺めていた。
今日もトロデーンの空は、満天の星空だった。
「姫様は、星占いなど信じるお方ですか?」
「・・・そうね、占いは信じているわ。なんだか素敵じゃない?」
「僕も・・・僕もそう思います」
エイトは優しく微笑んで、再度視線を私から星空へと移した。
「姫様と僕って、相性占いだととてもピッタリなんですよ」
「えっ?」
「あ!」
エイトは言ってしまった、みたいな顔で口を手で覆った。
その後すぐに慌てて、
「い、いまのは気にしないでください」
という。
「どういうことなの、エイト?」
「・・・え、えと・・・その・・・勝手に調べてしまって申し訳ありません・・・」
エイトはすごく赤面して、話していく。
エイトの話によると、トラペッタにいるユリマという女占い師に相性を占ってもらったところ、
私たちの相性はとてもピッタリだったそうだ。
「その・・・見習いの占い師のようでしたから、本当かはわかりませんが・・・僕、嬉しくて」
ふにゃ、と笑ったその笑顔に嘘はなくて。
「・・・エイト?」
「はい」
「少し・・・目を瞑ってくださるかしら。いいおまじないがあるんです」
「は、はい。わかりました」
エイトは目を瞑った。
城と同様、月に照らされたエイトの顔は、端整でとてもキレイだった。
――――ちゅっ。
「―――!? ひ、ひめさま!?」
あまりに驚きすぎて、エイトは私がキスをした頬を抑えて後ずさる。
「こうすれば・・・一生、一緒にいられるというおまじないですわ」
本当はそんなおまじない、嘘だったけれど。
あなたと私なら、そんなおまじないしなくても、ずっと一緒にいれる気がするのです。
背伸びしたキス
だから、お返しして?
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