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他のssは、テレビアニメの『STAR DRIVER 輝きのタクト』が4本、おとめ妖怪ざくろが1本です。

以下、御礼ssになりますー。




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◆おとめ妖怪ざくろss


和気、あいあいと?


西王母桃(ざくろ)総角景薄蛍吉野葛利劔雪洞鬼灯花桐丸竜櫛松




「こうして掃除する時、高いところを拭くのがずいぶん楽になったわ。あんたみたいなのでも、ひとつくらいは取り柄が有るのね」

「もう、ざくろったらまたそんな言い方して。総角さん、ざくろなりに褒めてるんですよ」

「ちょっと薄蛍!」

「はは、お褒めいただいたことには感謝するけど・・・でも身長なら、向こうの方がずっと」

「向こう? ・・・・・あれ、利劔じゃない。廊下の真ん中で何してるのかしら」

「何やら考え込んでいるようだけど・・・」

「え? 私にはただ立ち止まってるだけにしか見えないけど。ねえ、薄蛍」

「利劔様・・・。何だか不安が有るようなお顔・・・・」

「・・・・そう、なの? 言われてみれば眉間にしわがよってるようなそうでないような・・・。それにしても、よくわかるわね」

「まあ、僕は同期だった頃の付き合いがあるし、薄蛍くんはパートナーだからね」

「ああ、そうなんだっけ」

「どうした、皆そろって」

「うわ、利劔・・・でもどうしたはこっちの台詞よ。こんなところで何してるのかと思ったら、悩んでる・・・・らしいじゃない? 私にはよくわからないけど」

「悩みというほどのことでもないが」

「そうかい」

「ああ」

「じゃあ僕らは掃除に戻」

「アンタねえ、ここは聞いてみるところじゃないのっ?」

「だって、悩みというほどのことでもって・・・」

「そうだけど! 薄蛍がすごく心配そうにしてるし、それに気になるじゃない!」

「後半は君の好奇心じゃないか・・・」

「教えてはいただけないのですか、利劔様・・・」

「・・・・む」

「・・・よし」

「・・・・・ざくろくん」

「先ほど、桐と桜が棚の上を拭こうとしていてな。だが手が届かず、棚をよじ登ろうとしていた」

「まあ。あの子たちったら、危ないことをして・・・」

「だから二人を両肩に乗せて拭かせた。そこに偶然、花桐が通りかかったのだ」

「へえ、双子が一緒じゃないなんて珍しい」

「あの組は、櫛松さんが別の場所を割り当てていなかった?」

「はい。おしゃべりばかりして、手を動かさないからと・・・」

「でもさっきから見ないわね・・・結局、掃除はほったらかしなんだから」

「それで花桐くんが、どうしたんだい?」

「『僕も大きな男になって、あの二人を支えられるようになりたい』、とこぼしていた」

「・・・・・あの双子を肩に乗せるとなると、利劔以上に大きくならないと無理よね」

「・・・そこは、言葉通りに取らなくても」

「暗に無理だって言いたいんだと思います。ご本人のいない場ですが、気を遣ったみたいですね」

「確かに、あの押されっぱなしから逆転できるとは僕も考えにくいけど」

「花桐の年齢なら、これから伸びていくだろう。俺より大きくなることも、無いとは言えない」

「こっちは真面目に答えるなあ」

「ええ。ですが、言い方からすると・・・」

「うん、ざくろくんと意見は同じみたいだね」

「難しいお顔をされてらしたのは・・・・」

「何て言えば良いのかな・・・・君たちご婦人方からしたらつまらないことかもしれないけど、自分が女の子よりも背が低いと、男は情けなく思ったりするんだよ。だから、花桐くんの気持ちを思って気の毒に感じたんだろうね」

「そうなんですか」

「ほんと、つまらないこと気にするのね。自分より小さな女の子の背に隠れる男の方がよっぽど情けないわ」

「・・・・・いや、その・・・しかし花桐くんが二人を担げるくらい逞しくなった姿なんて、想像がつかないなぁ・・・・ねえ?」

「まあ、それは確かに。あの二人はどんな反応するのかしら・・・」

「喜ぶのではないの?」

「しかし初めて会った時は、小さくてえばりんぼさんなところが良い、って・・・。『こんなの丸竜サマじゃありませんわ!』なんてことにならないかなぁ」

「雪洞と鬼灯なら、『大きい丸竜サマも素敵ですわぁ』で片付けるかもしれないけど・・・うーん・・・・」

「姉妹で意見が別れる可能性も有るんだよね・・・」

「そうね、そうなることも・・・・」

「それだけ選択肢が多いと、考えているだけで答えは出そうに無い、か」

「あの、でも、ある日突然大きくなるわけじゃないから普通に・・・」

「よし、聞きに行きましょ!」

「そうだね、本人たちに聞くのが一番だ」

「あの・・・・」

「薄蛍、こちらの話はもはや聞こえていないようだ」

「で、あの双子はどこで何をしてるのよ?」



 ――ちょうどその頃。

「聞いてくださいな、櫛松。わたくしたちばっかりお掃除してますのよ」

「そうなんですの、みんなで楽しそうにおしゃべりしてますのよ。ね、丸竜サマ?」

「ああ・・・この部屋に来るまでに聞いたあの声は、そういうことでしたか」

「まったく、今日はこの二人が頑張ってるのに・・・仕様のない子たちだね」



 やって来た櫛松に怒られて、西王母桃の最後の疑問が解けるのは、もう間もなく後のこと。




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 タイミングはアニメ版6話の後で。

 書き始めは、最終話ラストで妖人省に帰ってきた丸竜がいきなりでかくなってて真っ白に固まる双子・・・で、夢オチみたいな話だったのですが、でも「あれ? 双子のリアクションって本当にそうなの?」とわからなくなってしまいまして(笑)。

 他の面々パスしたおかげでどうにかまとまった・・・。反則っぽい手ですが、こうしなかったら今も書けてないと思います。

 西王母桃(ざくろ)は『おとめ妖怪』、薄蛍は俗に『めおと妖怪』だそうなので、双子は・・・『おちゃめ妖怪』?(笑) みんな好きだけど、乙女心はわからない・・・(笑)






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