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感謝をこめて…
★ 9/10 ★
Only You?
「トラップ…いいかげん諦めたらどうですか?」
呆れ果てた様子でため息をつき、キットンは言った。
酔いに任せてグチを吐きつづけるトラップ。そんなもんに付き合っているのが面倒になったのだ。
グチの内容は、もちろん、彼の片思いのことである。
「諦めたほうがスッキリしますよ」
「…冗談じゃねえ」
キットンの言葉に、しかしトラップは目をぎらつかせて首をふった。
――さっきまで、死んだ魚のような目をしていたのに。
真剣なんですね……。
キットンはほんの少し姿勢を正して、問いかけた。
「なぜ、パステルのことをそこまで思うんですか?」
トラップは迷うことなく即答した。
「パステルが恋愛するんなら、相手はおれしかいないからだ!」
………………はあ?
「あいつの相手は、おれに決まってんだよ! おれだけなんだ…あいつが、本当の恋をできるのは!」
それは強がりとか、照れ隠しとか、そういう類のセリフではないようだった。
トラップの瞳は心底それを信じこんでいるという表れで、光り輝いていた。
真剣なんですね……。
ならば自分も、真剣に。
「トラップ」
キットンはトラップの肩を優しくたたき、ほほ笑んだ。
「それは、ただの勘違いですよ」
心をこめて真実を告げられたトラップは、そこで瞬間冷凍されたようであった。
それを幸い、キットンは立ち上がり
「ま、せいぜい頑張ってくださいよ。わたしに迷惑かけないように」
妙に優しげなほほ笑みをもう一つ残して去っていった。
トラップが解凍されるまでには、かなりの時間が必要だった。
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某Pさんがカラオケで歌ってくださった曲をネタにして書いたもの。TOKIOの名曲です。
どんな名曲もトラパス変換すれば爆笑ネタに大変身!
キットンのツッコミは、その日カラオケに居合わせた全員のツッコミでありました。
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