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お礼は只今、「神あそび」2話の番外のみですが、宜しければご覧下さい。










番外>>恋に落ちる瞬間

 


両想いだと知ったその日、オレが作った料理をガツガツと食べている燈に向かって、疑問に思っていたことを問いかけた。


 


「あの‥先生は、一体いつからオレのことを?」


最初、会った時から、あまり気持ちの変化が見られなかったから、疑問に思っていた。燈は食べながらさらりとオレの素朴な疑問に答えた。


「んーワリと最初から」

「最初って、例の路上で人が倒れた件からですか?」

「ああ‥って言っても最初から、恋愛感情があった訳じゃないけど‥お前、全く知らない他人だったのに、付き添いとして救急車に同乗させてくれって申し出ただろ」

「はい」


あの時はとにかく夢中だったし、知らない人とは言え、このまま救急車に乗せてただ終わりにしたくなかった。


「あの時、お前すげー泣きそうな顔してた」

「え!?嘘!?」


その話しが本当なら、恥ずかし過ぎる。


「こいつ置いて行ったら、ここで泣くのかな‥と思ったら、何か不憫だったから、乗って貰ったんだけど」


何それ初耳‥オレあの時、そんな理由で乗せて貰えてたのか‥。


「って、もしかして、そこからですか?」

「ああ、まぁ‥その時は、好きというより、単純な興味かな。恋愛感情に変わったのは、その後、何度かうちに来てもらってる内に徐々にって感じだけど‥」

「それって結局、明確にいつかは分からないってことですか?」


燈は少し考えてから、くすりと笑って答えた。


「いや、最初のその興味が無ければ、今初葵がここに居ることは無かった筈だし‥何より、『あ・俺、こいつのこと好きだな』って自覚が遅かっただけで、結局、本当は初めて目が合ったあの瞬間から、好きになってたんだなって‥今気付いた」


今気付いたなんて、そんなの反則だ。そう告白されてオレは急に恥ずかしくなって、俯いた。燈はそんなオレの顔を覗き込むようにして、聞いてきた。


「それで、初葵はいつから、俺のことが好きになった訳?」


そう聞き返されると、とても恥ずかしいことを聞いていたのだと、改めて自覚してしまい、何も言えなくなってしまった。


「そんなこと‥しっ知りません‥」

「えー俺、言ったのに、ズルイだろ」

「ズルくないですよ。別に、先生が話したら、オレも話すなんて言ってません‥」


そんな風に恥ずかしがるオレを見て、燈はクスクスと笑って言った。


「じゃあ、今回は多めにみてやる。だけど、代わりに言って欲しいことがあるんだけど」

「言えるような内容なら、良いですけど‥」

「なら、これからは"先生"禁止な。ずっと病院に居るみたいで、何か違和感あったんだよな」

「じゃあ、何て呼べば‥?」


急にそんなことを言われても、先生で慣れていたので困る。


「あれ?俺の名前知らない?」

「知ってますけど‥」

「じゃあ、はい」


はい、というのはつまり、オレに名前を呼べということらしい。改めて、意識してしまうと、名前を呼ぶだけなのに、何故か凄く恥ずかしい気持ちになった。オレは、声を絞り出すようにして言った。


「あ‥かし‥さん‥」


オレとしては頑張って言ったつもりだったのに、燈は、そんなオレの反応を見て大爆笑していた。


「あはははは、おまっ名前呼ぶだけなのに、何でそんなに顔真っ赤なの?」

「ちょっ‥もう笑わないで下さいっ!!」


オレが燈の名前を意識しないで、呼べるようになるのは、これからもう少し後の話しになる。


 


 


それから、燈には結局話してないことだけど、オレも初めて目が合ったあの瞬間から、恋に落ちていたような気がする。



おしまい







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