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お礼は、現在イナイレ二次小説・夢小説になってます。
夢小説は、名前変換がないです、ごめんなさい(><)
全部で10種、時間軸をはっきりさせたいものがあるので、順番に表示します。

一之瀬×秋で、一之瀬視点。
中三くらい?・初冬秋の終わり設定。
少しでも、楽しんでいただければ幸いです♪

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雪が降る頃には、
俺はいなくなるけれど。

スノースマイル

冬が寒くって本当に良かった。
秋は特に冷え性だから、
冷たくなったその左手を握って、
「いっ、一之瀬くんっ?!」
恥ずかしがり屋のキミを黙らせる、
この上ない程の理由になるから。
「秋、寒いでしょ?」
「えっ?あ、…、」
ついでにその左手は、
俺の右ポケットにお招きしてしまう。
「…うん。」
そんなこと、
付き合っていれば、誰だってしそうなのに、
真っ赤になる秋は本当に可愛いと思うよ。
「俺、ホッカイロがあるから。」
「触れば分かるよっ。」
「どうしたの、秋?」
クスクス笑いながら、
空いている左手で頬をつつくと、
可愛らしく拗ねて見せる、キミが愛しいよ。
「もうっ、一之瀬くんってば…。」
ポケットの中の秋の手は、
恥ずかしいのかさっきからホッカイロばかり握っている。
「…早く、雪が降ればいいのに。」
空を見上げて口を尖らせる、キミ。
「そんなに思い通りにはいかないよ。」
一瞬、ムッとした顔を俺に向けて、
するり、と、
キミは僕のポケットから逃げていく。
また怒らせちゃったかな…?
「だって、一緒に雪を見たこと、ないじゃない!」
少し小走りして行って、
落ち葉の山につっこむ。
「えいっ!」
あんまり、落ち葉を蹴るなよ、
今にまた転ぶんだから、秋は。
「きゃっ!」
ずるっ、と、
音でもしそうなくらい盛大に転んだ秋は、
「もうっ!」とまた口を尖らせる。
「早く冬になっちゃえばいいのにぃ!」
転んだついでに、
立ち上がらずに落ち葉を手で掬い取って散らかして遊ぶ。
秋ってば、
「なんで、怒ってるのにそんなに楽しそうなの?」
「!」
追い付いた俺が手を差し出すついでに訊ねる。
その手に、おずおずと手を重ねて、
「一之瀬くんってば、そんなこと聞かないでよ。」
と、またぶうたれる。

…そうだね、
まだ誰も歩いていない真っ白な道に、
二人の足跡の平行線が続くなんて、
夢みたいで、
素敵だね。

「ロマンチックで、秋が好きそうだな。」
「!、もっ…もうっ、一之瀬くんってばぁっ!!」
「あははっ、ごめん、秋。怒らないで。」
「もぅ~っ!」
でもね、
秋、
雪がなくったって、
こんなに楽しいだろ?
俺はこれだけでも十分なんだよ。
秋と二人で歩くのなら、
どこだって、
どんな道だって。
秋の歩幅が狭いから、
それに合わせる難しさとか、
なかなか手を繋いでくれない悩ましさとか、
「あっ!」
道の先になにか見つけて、
先に走り出していったキミの背中とか、
「一之瀬くんっ、来て来て!」
振り返るキミの居る景色を、
ゆっくりと、
「なに?なにか見つけた?」
この目に刻んでおくよ。

俺はもうすぐ、
またいなくなってしまうから。

大好きな秋、
だから、
悲しませたくないから。
もう一度手術だなんて言ったら、
秋は泣いてしまうかもしれないから。
まだ、乾いたままの道を、
二人で歩く足音。
雪なんか降らなくたって、
俺には、
秋が居てくれたらいいんだ。
秋が、笑顔も、なにも、
全部くれる。
ごめん、秋。
ごめんね、俺は何もあげられなくて。
でも、
「一之瀬くん、早く早くっ!」
秋の笑顔が教えてくれるんだ。
秋を悲しませたらいけない、って。
…また土門にうまくやってくれるように頼むかな…。
でもあいつ、嘘つけない性格だからな…。
「今いくよ、」
俺は、冬なんか来なくたって、いい。
「…秋。」

キミと並んで歩いた思い出は、俺の右ポケットにしまっておくよ。



おわり。



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