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―Break―






「…………」



目が覚めると薄く明るくなりだした空が目に写る
なかなかこんな時間に起きるなんてことはなくて、
またいつも寝ている場所は太陽の光はあんまり入ってこない地下にあるから
目を開いたら光、何て久しぶりで思わず目をつぶる




「…………」




目を下にやると自分が足だけかけてる布団と同じ布団にくるまってる金色頭が見える
こいつはいつも布団を深く被ってまさに"くるまっている"感じで寝る


ちょこんと見えてる頭が愛らしくて髪の毛を人差し指に一房かけてみる
くるん、とやると綺麗に指にからまる感じも可愛らしい



「ん…ぅ、」



違和感を感じたのかむずむずと動きだす
そんな姿が幼くて思わず笑みがこぼれる





そういえば。
自分がこいつより早く起きるなんて早々あることじゃないし
こいつの寝ている姿を見ることなんてあんまりないなと考えてみる


今日のように上陸して各自宿に泊まることができたときしかないんじゃないか
たまにしか上陸できない生活に不満があるわけではない


でも、やっぱり船上だと夜の情事にもそれなりに制限はあるわけで
最後の方は自分が我慢して終わるわけだから上陸したときは思いきりやらせていただくのだ




そんな夜の次の日は必ず自分が早く起きる、
というよりその時以外自分が早く起きることはない



「…………ゾ、ロ?」



いきなり聞こえた声にぎょ、として手元を見るとキョトンとした顔で青い目がこちらを見ている



「どうしたんだよ、」

「あ?起きたのか」

「そうじゃなくてよ、頭」

「あ?」

「ずーっとぐしゃぐしゃして。寝ぼけてんのか?まりもくん」

「…………」



手元を見れば確かに自分の手は金色頭を撫でていた感じになっている
考えながら無意識の間に撫でていたようだ



「……気づいてなかったのかよ?」



くすり、と笑いながら俺の膝元に頭を置いてくる
それはいつか一人で旅をしていた頃に出会った野良猫みたいで



「お前、今日は甘えてくるんだな」

「たまには良いだろ?サービスだよ、バーカ」

「そうかい」

「はは、拗ねんな拗ねんな」



そういいながら青い瞳は再び閉ざされて数秒後にはすーすーと寝息が聞こえてきた



「…………」



自分は思いきり目が冴えてしまったが相手がこうなら動くわけにはいかない

別に何しよう、って考えていたわけではないけど。
そう考えるとのどが乾いたなぁとか思う



「…………ぁ」



そんなときに視界に入ったのは持ってきたバックの中から見えるペットボトルの蓋
ちょうど手が届かないところにあってこうも運がついてないか、と悔しくなる
動きたいけど、のど乾いたけど、なんせこの頭がどうにもできない



「サンジ、ちょっといいか」

「……ぅ、」



声をかけるとより頭を深く太ももに乗っけてきた
…………あぁ、どうしようか



「水飲むから、ちょっとだけ、すまない」



そういい頭を下ろさせてもらう
流石にそっとやったつもりだが水を飲み終わりやつを見れば青い瞳がこちらを見ていた


あ。
いつもは左目を隠してる髪がずれて右目を隠している
いつもは見ない同じように海の色をした左目が見える



「……ったくマリモはじっとしてることもできねーのかよー」

「…うるせぇ、喉乾いたんだよ」

「けーち」



そう言うと向こう側を向いてしまった
背中が見えてちょっとむ、となる




「こっち向けって」



布団に入ってちゃんと肩まで被って布団のなかでぐい、と体を倒せばあっさりこっちを向いた
またキョトンとした顔でこっちを見てる、畜生



「お前ってなんでこう…」

「なんだよいきなり、人をあっさり動かしたり」

「本当に幼すぎるだろ、てめぇ」



そう言えばやつはに、と笑って胸元に顔をうずくめてきた



「お前、俺にベタ惚れなんじゃん?」



………………少し悔しいが、そうかもしれない



なんか今いろいろと暖かいからもう一眠りしようか
たまには休憩も。




END



















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