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腕に抱かれて誓え --霜月ーー

「歳三さん」
鼓膜を心地よくくすぐる声に土方は目を覚ました。
少し、気だるく首をゆっくりと巡らすと途端、目に入る千鶴の顔。
「何だ・・・、もう、朝・・・か?」
身体を包む暖かな温もりを離すまいと手を添える。
「違いますよ。・・・もう、ねぼけていらっしゃるんですか」

そこで、土方は今の状況をおぼろげながらも理解した。

霜月一日。
まだ、辺りは薄暗く夜が白み始めてもいない。
ーー初日の出でもみるかーー
昨日、そう切り出したのは土方本人だ。
そうして、二人は昨夜の晩から縁側に身を寄せ合って座っていた。

「歳三さん、寝ちゃったんですから」
可愛らしくいじける千鶴の手を己の指で撫でながら、土方を目を和ませた。
「悪かったな、退屈だったか」
「久しぶりに歳三さんの寝顔を堪能したから、大丈夫ですよ」
本当はそれだけではないだろうに、
と土方は思う。
少なからず、寂しかっただろうと。
でも、健気な千鶴が愛らしいと思う自分もいる。
「ほら、もっと俺のとこに来い」
そういって千鶴の腕を首に巻きつかせた。
いつもは自分が千鶴の後ろへ抱きしめているものだがたまには抱きしめられているのもわるくない。

そんなことをつらつらと考えていると薄く一つの光の帯が二人に差し掛かった。
この年、初めての日。
一度、羅刹に身を堕とした自分がこんなにも穏やかな気持ちで日の出を見れるなんて。
なかなか、感慨深い。
「わぁ・・・・っ」
後ろでも感嘆の声が上がった。
「綺麗・・・・」
日は淡い橙色のような光色とでもいうのか。
そんな色で優しく自分たちを照らしている。
「千鶴」
「なんですか?」
「・・・俺はあのとき、お前の腕の中で死んでもいいって思ったんだよ」
そう、あのとき。
五稜郭で風間と刀を交える少し前。
傷ついた自分を抱きしめる千鶴の腕が心地よくてこのまま、この腕のなかで死んでもいいかとも一瞬、考えた。
しかし、自分はまた今年も生を刻むことを許されたらしい。
「でも、お前の腕の中で新しい年を迎えるほうがよっぽど幸せだ」
「当たり前、でしょう」
そして、これからもその幸せ増やしていきましょうねと言われる。


唐突に千鶴が土方へ口付ける。 珍しい彼女からの行為。
また唐突に離れ、顔を赤らめる彼女に土方は苦笑した。
指を彼女のほうに添えるとそのまま顎へと辿る。
また、ゆっくりと唇を合わせる。
触れるだけの優しいものから。
口付けは甘く噛むようなものに変わり、そして互いの舌を絡めあう。
「ふ・・・・ぁ・・・」 千鶴が小さな艶音を漏らすと最後に土方は彼女の唇をねっとりと舐める。と、銀糸を引きながら離れていった。



初日の出を見詰め、二人で誓う。

また、今年も共に歩むことを。
また、この日の出を見ることを。

霜月ーーーーー。
お前の腕に抱かれ、誓いを刻む月。

後綴り

薄桜鬼キャラで年巡り。
今回は土方さんで霜月、「一月」になります。
季節はずれをいいとこなんですがね 笑
土方さんの生きられる理由を仄かににじませて見ました。
あと、ちょっと千鶴が押していましたね。
最終的には土方さんが奪っちゃってましたが。
如月、弥生、文月、長月のキャラは決まってるんですがさぁ、残りどうしよう。
希望がある方は下に書いてみてくれれば嬉しいです。
採用っっ!!!てなるかもです 笑





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