街中は、仲の良さそうなカップルで華やかに賑わっている。

2月14日。世の中はバレンタインデー。


「…皆、バレンタインの意味、履き違えてるんじゃないですか?」


当たり前のように街中でべたべたするカップルばかりが目に付く

その道を歩いている結城は、不機嫌そうなため息をつき、独り事とも、

隣に並ぶ人へ向けてともつかない言葉をそっと漏らす。


理由は、恐らく。

自分たちが、公衆の面前で、そういうことをできないから。


「…家に帰るまで、もう少しだよ」


それを察した解っている物部は、結城の耳元ぎりぎりでそう囁く。


囁きは、吐息のかかるほど近い距離で。

自分が、彼と至近距離で並んで歩いている事に今更気付き、

結城はぱっと、顔を背けた。




…普段からこんな至近距離で並んで歩く2人の方が、

よっぽど親しく見えるんじゃない?と。


偶然その一部始終を目撃した、白いドレスの彼女は、

口元に呆れたような、けれど美しい笑みを浮かべた。







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ハッピーバレンタインです。

皆様が素敵なバレンタイン、そして楽しいバレンタインを過ごしていますように。

(ちなみに私はパスタを食べたら謎の胃痛が襲ってきて家で寝ております…)


物部さん×結城くん。
そして、その光景を目撃したダイアナさん。

彼等にとっても素敵なバレンタインでありますように。


10.02.14

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あと1000文字。