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ありがとうございました! 家族ごっこ その1 内乱平定後、ファルーシュから覇気が消えた。 疲れた顔で遠くを見ていることが多い。 さすがに妹のリムスレーヤが傍にいる時は笑みを浮かべるが、それすらも以前の輝きがなかった。 「きっと、やり遂げて事でどっと疲れが来たんでしょうね」 「ああ」 『元』女王騎士であるカイルと二人、ゲオルグは酒場でファレナを救った英雄の話をする。 「心も身体もそれこそギリギリだったんだろうに、よく頑張ったもんだ」 「早く元気になって欲しいですね」 「だが、あいつが受けた傷は深い。そう簡単に癒せないだろう」 そうですよねぇ。と俯くカイル。 ゲオルグもまた酒を一口飲んで黙り込む。 ゴドウィンの反逆。 妹は人質に取られ愛する両親と叔母を亡くし、国の為と愛する民を自らの手で屠り続けたファルーシュ。 内乱時はまだ気を張り詰めていたからいいものの、すべてが終わり平和を取り戻した今、耐えてきたものが押し寄せたのだろう。 休ませてやりたい。 皆がそう願っている。 「そうだ!」 突然大声を出したカイルは名案が浮かんだとばかりに瞳を輝かす。なぜだかあまり良い予感がしないのは気のせいか。 「療養すればいいんですよ。ファレナから離れて、ゆっくりと癒せる場所に行けば」 「それは俺も考えた」 「そうなんですか?」 「ああ。本人にも伝えてある」 「え! 行動早いですね」 「あんな姿見ていられないからな。少しのあいだファレナを離れて旅でもすれば気分がまぎれると思ってな」 「さすがですね~」 「そうか? そんな大したことは言っていないだろう」 「そんな事ないですよ! で? 王子はなんて返事を返したんですか?」 「頷いたが…。あまり乗り気ではないのかもしれんな」 期待していたような笑顔を見ることは叶わなかった。それどころか迷うそぶりで顔を伏せてしまう始末。 確かに、これからという時に妹を置いて国を出ることに躊躇いを感じて当たり前だ。 だが、それ以上に喜びや希望、安らぎすらも垣間見れなかった。 しばらくしてから一緒に行くとは言ったが、果たしてそれは本心か。 「まぁ、今の王子はちょっと違いますからね」 「そうだが…」 「それに、王子は本心で望んでいないことに頷くはずはないですってば。ゲオルグ殿は父親のように広い心をもって立ち直るのを待つしかないんじゃないですかねぇ」 カイルの言うことももっともかもしれん。と頷きかけた。その時。 「あ! あ! 今度こそ名案ですよ!」 「今度は何だ」 騒がしい男だと首を竦める。 だが、次に発せられたカイルの言葉にゲオルグは言葉を失うことになる。 「ゲオルグ殿が父親になればいいですよ!」 この男はいったい何を言っているのか。 今回ばかりはため息をつかずにはいられなかいゲオルグであった。 |
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