【拍手御礼/モツ鍋後日談後の後日談 フィンランディ家】

※タイトル通り、BOXの内容に関係したお話です。ネタバレ注意。























「駄目だ。絶っっっっっっ対!ダメだ!!」
「どうして?」

その男―――オーフェン・フィンランディは
眉間に皺を寄せ、最近では滅多に無いような堅い口調で言い切った。
それに対してテーブルの反対側に座っているクリーオウは
お茶の入ったカップを手にしたまま首を傾げている。

「いいじゃない。あの子が”いいな”って思ってるみたいなんだから
 親がどうこう言うことじゃないでしょ?
 少なくともオーフェンが言う資格無いわよ」
「その言葉、そっくりそのまま返すぞ」
家出同然で飛び出して、
やっと帰ってきたと思ったら修行に出てそのまま帰らないなんて
お前だって親不孝にも程があるだろ――――

しかし彼女が言っていることとそれとは恐らくこれっぽちも関係が無いと感じたため
(たぶん「年頃の女の子の気持ちなんてわからないでしょ」とか
彼女が言っているのはそういう意味なのだろう)
後には続けずにオーフェンはがっくりとうなだれた。


「俺だってな、別にあいつがダメだって言ってるんじゃない。
 仕事も出来るし、若いのにしっかりしてる」
「じゃあいいじゃない。しかもオーフェンの大好きな玉の輿よ!た・ま・の・こ・し・!」
「いやもう興味が無いんだが」
「ご両親がああだもの。そりゃあしっかりもするわよ」

両親…。

オーフェンの脳裏に二十年とちょっと前の出来事が過ぎる。
忘れもしない、マギー三姉妹最強の長女との邂逅。彼女を探しに来た夫。
そして………

ふらり。よろめきながらオーフェンは席を立った。

「いや…やっぱりダメだ。ヴィクトールは確かにいい奴なんだが…」
「えー」
クリーオウは不服そうにカップに口をつけるが、すぐにぱあっと表情を変える。

「ねえ、マジクとはどうなのかしら!?あのふたり、仲もいいみたいだし」
「師弟の仲が悪いと大変だからな」
「マジクもいい歳してなーんかパッとしないし、
 でもあの子がぐいぐい引っ張ってる感じがなんとなくいいのよねー」
「どっちの親なんだお前は」
オーフェンは嘆息して、考えた。

マジク。
かつての弟子。
王都で別れた後も優秀な師に学び、
現在はその能力を遺憾なく発揮できる非常に強力な魔術戦士。
その才能は親譲りで―――――


オーフェンは考えるのをやめた。



(両親…)

どうして自分の周りにはまともな人間とまともなその家族がいないんだろうか。


オーフェンは頭痛を感じ、ぐったりとその身をベッドに沈めた。



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