恋する5のお題 (女視点 清く正しく) : その4 理想論より行動に移し。
そりゃあ、いつかはお付き合いってものをしたいし、ゆくゆくは結婚だってしたい。
でも物事には順序ってものがある。顔を合わせて、会話を重ねて。交換日記をして――は古臭すぎるけど。一緒に登下校したり遊園地にデートに行ったり。そんな人並みの願望はある。
だけど。それは現状が片付いてからの話。
「どこにいるんだクソ親父」
「詩帆ちゃん、日に日に言葉が荒くなってない?」
現状は気になる人との嬉しはずかし登下校、ではなく。異世界人達による日々サバイバルの父親探しツアー。
「先輩。あたし高校生なんです」
「うん。知ってるけど」
「なにがなんでもぶんなぐる。すべての元凶はあいつなんだ」
「だから詩帆ちゃん。日に日に言葉が怖くなっていってるよ」
今だって、場所は違えど嬉はずかし先輩とのお散歩――になりそうで、全然ならない。それくらい、今のあたしは怒っている、切羽詰まってるんだ。
「詩帆ちゃん歩かないと置いてくよー」
「わかってます!」
まずは現状打破。絶対、元の世界にもどって女子高生してやるんだから!